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インキュベーションの虚と実

起業家よ、ストリートスマートたれ!
鵜呑みと思い込みから脱却せよ

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第29回】 2013年6月24日
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 日本でも起業家や起業家予備軍が増えつつあるのは素晴らしいことだ。だが一方で、「おいおいしっかりしろよ」と言いたくなるような例を見ることも多々ある。

 ベンチャー、大企業を問わずよく言われる話は、「上から言われた事を鵜呑みにしてはダメ」「世の中で通説のように言われている事は誰かの思い込みだと疑え」ということがある。

 つまり、自分で考える事が大切だということだ。これが、組織で守られた大企業とは違い、ベンチャーではなおさら大切になる。

ヒトのせいにはできない
現実に強いストリートスマートたれ

 ストリートスマートさが起業家の成否を分けるのは世の常だ。今回は、鵜呑みや思い込みの例とともに、ストリートスマートについて考えてみたい。

 そもそも、ストリートスマート(street-smart)とは、何だろう?

 「困難な状況でも成功するために必要なスキルと知性、あるいは都市環境で生き残るために必要な鋭い臨機応変さを持つ様」といった意味だ。サバイバルスキル(survival skills)という言葉もあるが、これは危険な状況で生き残る術であり、ストリートスマートはこの一段上級のものとも言えよう。

 ブックスマートやアカデミックスマートという言い方もあるが、これは机上の知識があり、教科書の内容を分かっている人のことだ。分かっていることは着実にこなすが、頭でっかちで現場には弱いとか、未経験のことに直面すると対処できない、変化や不確実な状況に弱く、打たれ弱いという短所がある。また、もっともらしいことを言うが、実際の仕事はうだつがあがらなかったりする人も多い。

 ベンチャーには、日々問題が降りかかってくるが、これを次々と対処していくことが求められる。現実に対峙し、たくましく生きていくこと、新しい問題にぶつかっても、なんとか切り抜けていくたくましさが起業家には必須だ。

 他にも細かく挙げればきりがない。ざっくりとまとめると、陥りがちなワナに、鵜呑みと思い込みによって嵌ってしまうということだ。一度嵌ってしまえば、努力も無駄になり、なかなか前に進むことができなくなる。

 生き抜く術を解説した教科書など存在しないベンチャーという土俵で、どう相撲をとるかは自分次第だ。ヒトのせいにはできない。ならば、ストリートスマートにベンチャーの世界で勝ち残っていただきたい。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

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