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アマデウスたち

中嶋一貴
日本人未到のチェッカーフラッグへ

週刊ダイヤモンド編集部
【第31回】 2008年5月30日
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中嶋一貴
写真 加藤昌人

 2007年10月21日、F1世界選手権最終戦ブラジルグランプリ。テストドライバーから起用され、初めて決勝レースのハンドルを握った。日本人初のF1フル参戦を果たした父・悟の開幕戦も、同じブラジル。それから20年後、「世界のナカジマ」が再びこの地を駆け抜けた。

 スタートから9台を追い抜き、10位で完走。最速ラップタイムは5位という華麗なデビューだった。300キロメートルを超えるトップスピード、減速時には5Gの重力が襲いかかり、心拍数は180にまで上昇する。過酷な環境下で、71周の長丁場を戦い抜く高度な技術と、強靭な体力、精神力を印象づけた。「プレッシャーはコントロールすることができる」。

 「手応えのあるいいレースだった」。多少のミスはあったが、経験を重ねればそれを克服できる確信も得た。11月7日、AT&Tウィリアムズは、正ドライバーに起用することを発表、2008年シリーズへのフル参戦が決まった。「夢が叶った」。

 父が率いるホンダではなく、トヨタのレーシングスクールで腕を磨いた。英国を本拠地に本場欧州で経験を積む。最速の遺伝子を受け継ぎながら、過信も慢心もせず、自分の足で階段を駆け上がってきた。

 次の夢は「日本人が誰も果たせなかったこと」。日本人F1ドライバーの過去最高順位は3位。22歳の新星は、歴史を塗り替える大いなる可能性を秘めている。

(ジャーナリスト 田原 寛)

中嶋一貴(Kazuki Nakajima)●F1ドライバー。1985年生まれ。11歳でカートレースを始め、フォーミュラ・トヨタ、全日本F3、ユーロF3などで活躍。2007年、GP2シリーズで総合5位、新人賞を獲得。F1のAT&Tウィリアムズチームでテストドライバーを務め、2008年よりフル参戦。

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