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6月24日 18時0分
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ドル円相場〜潮目が変わったかも〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

今朝(6月24日)、為替市場で1ドル98円台半ばまで円安が進んだ。先週、米FOMC後に、米経済への強い自信を示すバーナンキ議長が量的金融緩和縮小のスケジュールに言及すると、米長期金利は大きく上昇しドル高円安が進んだ(グラフ参照)。その後、先週金曜日(6月21日)こそ米欧市場でドル高円安は一服したが、東京時間において円安に動いた格好である。


先週末に足踏みしたドル高円安が、東京時間で再び始まった一つの理由として、7月の参議院選挙の前哨戦となる東京都議会選挙で、自民党、公明党が圧勝したことが挙げられる。2012年12月の自民党大勝と安倍政権誕生をきっかけに株高・円安の大相場が始まったが、これと同じ連想が一部の市場参加者の頭をよぎったのかもしれない。

ただ、7月の参議院選挙の自民党勝利はほぼ織り込まれている。参議院選挙の結果が、安倍政権の求心力に影響するとの見方もありえるが、本質的なことは、脱デフレという最優先目標に向かいアベノミクスが完遂するかどうかである。デフレ圧力を再び強める緊縮財政政策を最も優先する考えは政権内に一定の勢力を持っており、脱デフレと経済正常化実現につながる妥当な政策が今後実現するかと、参議院選挙との関係は実ははっきりしない。

こうした中で、日本の政治状況が多少混乱しても変わらないことは、デフレ脱却の途上にありそして物価目標実現まで距離がある日本においては、中央銀行である日本銀行が金融緩和のアクセルを踏み続けることである。

先に述べたとおり、FRBは今後経済情勢を見極めながら量的金融緩和縮小を模索する。バーナンキ議長の発言の背景には、米経済の回復により強い自信を抱いていることがあるが、それは他のFOMCメンバーも同様で、今回判明した2015年(1年半以上先)の政策金利のFOMCメンバーの想定が上昇している。まだ先のことだが、2015年になれば、政策金利をゼロからある程度引き上げることが正当化されると考えるFOMCメンバーが、3ヶ月前より増えたのである。

もちろん、バーナンキ議長らの見通しが実現するかどうかは、足元の中国などの新興国のリスクなど様々な不確実性がある。ただ、米国経済の正常化に伴いFRBの金融緩和一辺倒の状況が変わる。米国を中心に世界経済が安定する状況になれば、米国(量的緩和縮小)、日本(量的緩和継続)の金融政策の格差が、ドル円相場により反映される。

先週までは、米FRBの政策への思惑が揺れ動き、本来量的金融緩和の縮小はドル高要因なのに、その思惑でドル円は円高に動く場面が多かった。これを6月18日レポートで、ミスプライシングではないかと述べたが、FOMCをきっかけに不確実性が拭われれば、FOMC前までのミスプライシングは修正される。

今後参議院選挙を迎えて、アベノミクスに対する市場の思惑は揺れ動くかもしれないが、日本における脱デフレに向けた金融緩和強化策が、よりダイレクトにドル円相場に反映されるようになる。本日の東京時間早朝のドル円市場の値動きは、ドル円相場の潮目が変わりつつあることを示しているのではないか。

また、日本のメディアでは、アベノミクスの弊害として「長期金利の上昇や乱高下」が強調されてきた。ただ、金融政策のレジームが変わることで、これまでの強固なデフレ期待が変化するわけで、その過程で名目金利がある程度変動するのはやむをえない。

米国やドイツの動きを比較すると、一時期の変動を除けば日本の長期金利は相対的に落ち着いている(グラフ参照)。日本銀行が、より強力にかつ長期間にわたり金融緩和強化を行うことを明らかにしているため、多少の名目長期金利の変動があってもそれは経済への悪影響をほとんど及ぼさず、むしろ実質金利低下が経済活動を刺激しているのが現状である。


先週明らかになったバーナンキ議長らの判断が正しければ、今後は為替市場における円安を通じて、日銀の金融緩和の景気刺激効果はより強まる。バーナンキ議長はアベノミクスを高く評価していることを度々明言しているが、今後は、アベノミクスの効果を強める援軍となりつつあるのかもしれない。

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(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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