話は“I like”や“I wish”から
ポジティブに始めることが大事

本田IDEOでは、どんな目標設定や評価の仕方が行われているのですか?

なぜあの会社には、<br />働き方のルールがないのか?<br />【企業インタビュー:IDEO編】WORK MAPのイメージを書いていただきました

トム 年1回、自己評価をしますが、そのときにはマインドマップのような方法を使います。私自身、数年前の目標はブランドアンバサダーでした。IDEOという会社を、いろいろな人たちに伝えていくことが目標でした。そのためにやらなければいけないことを書き出していくんです。

本田 ある意味、ツールなんですね。

トム はい。私たちは、これをワークマップと呼んでいました。これからの1年を計画するためのものであり、このシートを使い、周りからも、もっとこういうことをしたほうがいいのではないか、こんなことはやらなくていいのではないか、ということを議論して書き込んでいくのです。このとき、周りの人は上司ではありません。コーチやメンター、ビジネスリーダー、プロジェクトリーダーという呼び方をする仲間なんです。

本田 1年後の評価はどうなるんですか?

トム1年後、このときに作ったワークマップと過去の古いマップを持って、仲間からのフィードバックを受けます

本田 どんなフィードバックがあるんですか?

トム あなたはこれをやらなかった、ここがダメじゃないか、という言い方はしないんです。“I like”や“I wish”から始まるようにしています。ポジティブに始めることが大事なんです。ポジティブにすることによって、もっと相手が聞く気持ちになるから。言葉というのは、ある種のモードを作ります。だから、どんな言葉を使うのかは極めて重要です。何かしてほしかったと思ったとしても、やらなかったじゃないか、という言い方をするのではなく、やればよかったね、という言い方をする。これはクライアントとのコミュニケーションも同じで、ポジティブで楽観的なところからスタートするほうがいいんです。

なぜあの会社には、<br />働き方のルールがないのか?<br />【企業インタビュー:IDEO編】IDEOオフィスの裏庭

 ※次回は7月12日更新予定です。


新刊のお知らせ

なぜあの会社には、<br />働き方のルールがないのか?<br />【企業インタビュー:IDEO編】四六並製/316ページ
定価1400円(+税)

本田直之『あたらしい働き方』

パタゴニア、ザッポス、エバーノート、IDEO、スタンフォード大学d.School、カヤック、スタートトゥデイ、チームラボ、Plan・do・ see、ワークスアプリケーションズなど日米約20社を取材して得た確信。いままさに世界で生まれつつある「古い価値観や常識に縛られないあたらしい働き方」は何なのかを、伝えていきます。

ご購入はこちらから!

[Amazon] [紀伊國屋Bookweb] [楽天Books]

なぜあの会社には、<br />働き方のルールがないのか?<br />【企業インタビュー:IDEO編】

本田直之(ほんだ・なおゆき)
レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼CEO
シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQ への上場に導く。現在は、日米のベンチャー企業への投資事業を行うと同時に、少ない労力で多くの成果をあげるためのレバレッジマネジメントのアドバイスを行う。東京、ハワイに拠点を構え、年の半分をハワイで生活するデュアルライフを送っている。

幸福度ランキングトップの北欧(デンマーク、スウェーデン、フィンランド)の人たちと幸福について語り合って著した近著『LESS IS MORE 自由に生きるために、幸せについて考えてみた。』(ダイヤモンド社)が話題になっている。
このほかの著書に、ベストセラーになったレバレッジシリーズをはじめ、『ノマドライフ』(朝日新聞出版)、25万部を越えるベストセラーとなった『面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則』『ゆるい生き方』『7つの制約にしばられない生き方』(以上、大和書房)『ハワイが教えてくれたこと。』(イースト・プレス)などがある。
著書は累計200万部を突破し、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。