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新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く

タイガー・ウッズへの差別発言が問題に
顰蹙を買ったアスリートたちの一言

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第36回】 2013年6月29日
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 健全なる精神は健全な身体に宿る――、とはローマの詩人ユヴェリナリスの言葉だが、その意味するところは、健やかな身体の持ち主には、健全な精神を、である。

 意訳するならば、元気な人は心もきれいに、だ。たぶん。

 プロアスリートと呼ばれる人たちは、健全な上に研鑽を重ねて、やっとプロの土俵に上がれるのだろうと私は思っているが、健全なはずのプロスポーツの世界では、ときおり、健全な精神とは言い難い“偏見”や“差別発言”が飛び出すようだ。

 つい先日も、セルヒオ・ガルシアというプロゴルファーの差別発言が報じられた。世界ランキング一位のタイガー・ウッズに対しての、心ない発言だ。

 このガルシアというプロは、タイガー・ウッズと犬猿の仲なのだそうだ。

 どっちが犬でどっちが猿かを質すと差別になりそうだからやめて、今月に開かれた全米オープン……、松山秀樹くんが日本人初となる一〇位(次大会への出場権を獲得できる順位。日本人の過去最高は尾崎将司プロの一七位)になった大会ですね。テレビ観戦された方も多いと思います。

 その大会の直前、ウッズとの不仲がささやかれるガルシアに記者陣が質問をした。

 ガルシアに向けられた質問は、大会ではウッズとどう接するか、といったものだったらしい。ロンドンで行なわれた欧州ツアーの表彰パーティーでのことだ。

 「毎晩、彼を食事に誘って、フライドチキンを出すよ」

 ガルシアはこう応えた。この発言を受け、すぐさま英米のメディアは“差別発言”だとしていっせいに報じたが、これのどこに差別的な要素が含まれているか、すぐにわかった方はなかなかの国際感覚の持ち主かも。

 正解は、フライドチキンです。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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