気配りは「3秒」で
使えなくては意味がない

 私には、

「気配りは教養ではなく、3秒で使えなくては意味がない」

 という持論があります。

 私をはじめ、現役サラリーマンが必要としているのは、「なんとなくの知識」ではなく、
「いま、目の前の難題を3秒で解決できる具体的な方法」
 なのです。

 私が紹介する「気配りの正解」は、私が「大手3大広告代理店の現役社員」として、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、大物俳優・女優など、総勢3000名を超えるVIP顧客との交流を通して磨いたスキルをまとめ上げたものです。

 企業研修や接客マニュアルなどで学ぶ、一般的な「ビジネスマナー」ではありません。
 私が広告代理店の現役社員として「非常に厳しい人間関係」に身を置いて学び得た「本当に使える実践的な気配り」です。

 どれほどすばらしいマナーの方法があったとしても、成果が出なければ、私にとっては意味がありません。

 逆に言うと、常識的にはマナー違反であっても、相手が喜んでくれるのであれば、それこそが「真の気配り」だと思っています。

 たとえば、「たくさんの人が集まっている場」で挨拶をする場合、一般的には

●「訪問側の役職上位者(年長者)」から挨拶をする

 のが「常識的なマナー」です。したがって、年少者の自分がまっ先に挨拶をするのは「不正解」になります。

 けれど、「実際の現場」では、違います。
 順番でまごつくようなら、

●「自分から率先して挨拶」をする

 ほうが、その場の印象に残りやすいのです。

常識的な正しさが、
仕事の現場でも正しいとは限らない

 反対に、「常識的なマナー」としては正しくても、私の基準としては「不正解」なものがあります。

 相手に挨拶をするときに、

●相手と「目が合った」タイミングで挨拶をする

 のは、一般常識としては間違っていません。
 けれど、私の基準では、不正解です。
 相手と「目」が合ってからでは遅すぎます。
 挨拶で大切なのは、「相手よりも先に、自分が挨拶をする」ことです。
 ですが、目が合ってからだと、「自分よりも先に、相手が挨拶をしてくる」かもしれません。
 したがって、目が合う前、それこそ、

●相手の「背中」が見えたタイミングで挨拶をする

 のが、正解です。