橘玲の日々刻々 2013年7月2日

歴史上、日本人だけがなしとげた快挙とは?
[橘玲の日々刻々]

 書店に行くと、「世界のなかで日本はスゴい」という本が並んでいます。これは中国や韓国から、「戦争中に日本はこんなにヒドいことをした」と反省を迫られていることの反動でしょうし、かつてはほんとうにスゴかった日本経済がすっかり凋落してしまったことで、自信を失ったことの裏返しでもあるのでしょう。

 しかしこれらの本は、不思議なことに、人類の歴史のなかで日本だけがなしとげたほんとうにスゴいことに触れていません。

 1575年の長篠の合戦で、織田信長の鉄砲隊が武田勝頼の騎馬隊を殲滅したことは日本史の教科書にも出てきます。このとき信長は1万の鉄砲隊を率い、そのうちよりぬきの3000人を3分隊に分けて川岸に配置し、川の手前で勢いの鈍る武田軍の騎馬隊に1000発の銃弾を連続して浴びせたのです。

 ところが私たちのよく知る時代劇では、江戸時代の侍は腰に刀を差していて、銃器の類はいっさい持っていません。これが明治維新まで続いたことで、日本がかつて鉄砲大国だったことはすっかり忘れられてしまいました。

 1543年、種子島に漂着したポルトガル人の火縄銃と弾薬を領主が購入し、日本に鉄砲が伝来します。それから1年もたたないうちに種子島の刀鍛冶は鉄砲の自作に成功し、10年もすると日本じゅうの鍛冶が種子島銃を大量に製造するようになりました。当時は戦国時代の真っ只中で、新式の武器はつくればいくらでも売れたからですが、その背景には日本が鉄の産地だったことと、日本刀や鎧の製作できわめて高い冶金技術を持っていたことがあります。

 すくなくとも陸戦においては、16世紀の日本はヨーロッパを圧倒する最強の軍事国家でした。長篠の合戦から12年後、フランスでアンリ4世が銃火器を使って“歴史的”な勝利を収めますが、その時の鉄砲隊の人数はわずか300人だったのです。

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 <執筆・ 橘 玲(たちばな あきら)>

 作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編』『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券編』(以上ダイヤモンド社)などがある。ザイ・オンラインとの共同サイト『橘玲の海外投資の歩き方』にて、お金、投資についての考え方を連載中。


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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