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2010年に世界で大ブレイクの予感!?
ソーシャルゲームの恐るべき増殖力

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第75回】 2009年12月30日
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 アメリカに、2010年のIPO(新規株式公開)が噂されている急成長中のベンチャーがある。ジンガ(Zynga)というゲーム開発会社だ。

 ゲームといっても、ジンガのゲームは、従来の常識にとらわれない。ソーシャル・ゲーム、つまりSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の仲間を呼び込んで一緒にプレイする、まったく新しいタイプのゲームである。

 ジンガの代表的なゲーム、「ファーム・ヴィル」をのぞいてみよう。直訳すると「農村」という名のこのゲームは、実に単純にスタートする。加入すると、与えられた農地にはすでにトマトやナスがたわわに実っていて、それをまず収穫するのだ。

 収穫すると資産が増えて、まずは喜ばせてくれる。だが、その後の畑にはまた新たに何か植えなければならない。他にも空地があって、そこを耕して畑にしなければ収益が見込めない。そこで大豆の種を蒔いたりする。種代がかかり資産が減るが、それがまた収穫される頃には、大豆を売った代金が入る。さらに隣の土地を買い取って、自分の畑を増やしていくことも可能だ。

 そういうことをしながら、その間に友人を近所の農民として招いたりして、農村を築いていくところが、ソーシャル・ゲームのミソだ。その知人というのは、すでにSNSでネットワークに入っている友人にリクエストを送るという方法で行われる。つまり、フェースブックやマイスペースのソシオグラム(友人リスト)を利用し、その上に成り立つゲームなのである。

 隣に新たに農家が増えれば、こちらはトラクターなどの新しい道具を買ったりして農作業に励み、小屋を建てたり樹木を植えたりして自分の農地を整えていく。こうした買い物はマーケットに行ってするのだが、栽培が難しい品種は一定の経験を積まないと購入できないようになっていて、農民としての腕を磨くことも要求される。近所に招いた友人たちも着々と農地を開拓して、何日もかかってゲームを続けるうちに周囲は立派な農村になる。そういうシナリオである。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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