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家を買う!妻とのケンカを乗りこえて

妻に「小さな損」を知られるな

太田三津子 [不動産ジャーナリスト]
【第3回】 2009年11月30日
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買い替えのコツは
「買い」より「売り」優先

 男と女では金銭感覚が違う。男は大きいお金、女は小さいお金に強い。マイホーム取得のように大きなお金が動くときは、意外にも「小さなお金」が夫婦ゲンカの火種になることが多いので要注意だ。

 さて、今回登場していただく神谷さんご夫妻は30代。現在、2人のお子さんと多摩川に近い戸建てに暮らしている。実は、今の家は2軒目。最初のマイホームは、神谷さんの独断で購入した。神谷さんは筋金入りの不動産ウォッチャーで、常にネットで不動産相場をチェックし、通勤時も駅にある不動産物件のフリーペーパーをマンガ代わりに読むほどの間取りマニア。「家のことは僕に任せろ」というわけだ。

 最初の家は、都心に近い穴場エリアの新築建売住宅だった。2005年に3600万円で購入。「30歳前に戸建てを持つ」という目的は果たしたものの、出産、育児のために専業主婦になった奥さんは、周囲の環境や使いづらいミニ戸建てへの不満を募らせていた。

 そして、2人目の出産のため奥さんは府中の実家に戻り、神谷さんも頻繁に実家に通ううちに「すっかり府中の環境に魅せられてしまった」という。最初の家を購入したとき、妻にもまわりにも「ベストの選択」と豪語していたことから内心忸怩たるものはあった。「しかし、今が買い替えのタイミング」と判断し、方向転換したという。

 05年当時は手が届かなかった府中の戸建てが、08年秋から大幅に値下がりしていることに気づいたからだ。同じような物件が1000万円近く安くなっている。

 さっそく不動産仲介会社に売却を依頼し、ネットで府中の候補物件を探し始めた。いくつか候補物件が上がったが、「すべては買い手がついてから」と、物件を見にいくのも我慢した。

 「買い」より「売り」を優先させる。これは買い替えの重要なポイントだ。

 多くの場合、欲しい物件を見つけてから自宅の売却に入る。「買い値が○○だったから、たぶん、このくらいでは売れるだろう」という甘い期待は外れ、買い替え不調に陥ることが多い。特に不動産価格が値下がりしているときはそうしたケースが増える。新築が値下がりして買いやすい時期は、中古が売りにくい時期なのだ。

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太田三津子 [不動産ジャーナリスト]

1978年青山学院大学卒。「住宅画報」編集、「住宅新報」記者を経て1995年フリーライターとして独立、専門誌や経済誌を中心に住宅・不動産関係の記事を執筆するかたわら、雑誌や書籍の企画編集、座談会の司会やコーディネーターとしても活躍。共著に『次世代ビルの条件』(鹿島出版会)。日本不動産ジャーナリスト会議会員。


家を買う!妻とのケンカを乗りこえて

マイホームを賢く購入するためのマニュアル本はたくさんあるが、現実はなかなかうまくいかない。マイホーム取得には夫婦の合意が不可欠だからだ。家探しから契約、入居、買い替えの過程で、多くの夫婦が一発即発の危機を体験している。「女房は一体なにを考えているのか」とぼやく男性のために、実例を交えながら夫婦の危機回避の心得を紹介しよう。

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