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日本人が知らないリアル中国ビジネス 江口征男

カオスな中国ビジネス界で成功するコツは?
「変数」を意識して“始めから捨てる30点”を決めよ

江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]
【第105回】 2013年7月9日
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 中国ビジネスは「カオス」です。物事が予定通り進まない、従業員や取引先など関係者に裏切られる、法律や規定が急に変わる……。これらは日常茶飯事です。

 なぜ中国ビジネスはカオスなのでしょうか。ビジネスのアウトプット(結果)を左右する「変数」に関して、3つのパラメーターに分けてみると分かりやすいと思います。

カオス度合=「変数の数」×「変数の振れ幅」×「変数が変わるスピード」

 中国ビジネスの不確実性は、日本と比べて圧倒的に変数の種類が多く、変数の振れ幅も大きく、変数が変わるスピードも早いことに起因します。

 では、3つについて、詳しく説明していきましょう。

社会や組織よりも
個人の主観が優先

 1つ目のパラメーターである結果に影響を与える「変数の多さ」は、「中国人は社会や組織ではなく“個”でバラバラに動く』ことに起因します。日本であれば、「社会の常識」とか「会社としての利益」という錦の御旗を立てれば、その組織の構成員はたとえ個人の利益に反していたとしても組織を優先に動きます。

 日本人は「社会や組織の一員として恥じないように行動しないと村八分にされる」という概念が子どもの頃から刷り込まれているので、他人にどう思われているかを常に気にかけ、他人と違う行動はできるだけ避けるという習性があるからです。

 ゆえに、ビジネスを進める際も社会や組織単位で最大公約数や平均値さえ掴んでいれば、全体の動きもコントロールすることができるのです。

 しかし中国は違います。「社会や組織」の都合や利益よりも「個人」の都合や利益が優先されるので、「社会の常識はこうだから、それに合わせて行動すべきだ」という理屈は通用しません。しかも日本の25倍の国土、13倍の人口を持ち、地域が変われば言葉(上海語、広東語など)や習慣も異なります。その上、多民族国家である中国では、「自分は他人と違うのが当たり前」で他人のことを特段意識することなく各自の主観で行動します。

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江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]

1970年、神奈川県横須賀市生まれ。横浜国立大学大学院工学研究科修了、Tuck School of Business at Dartmouth MBA。Booz & Company, Accentureなどの経営コンサルティング会社、子供服アパレル大手のナルミヤ・インターナショナルを経て、中国にて起業。上海外安伊企業管理諮詞有限公司(Y&E Consulting)、(株)MA PARTNERSの創業経営者でもある。
⇒GML上海ホームページ執筆者へのメール


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