成長戦略の効果:
多くが「Jカーブ」になりやすい

 7月4日、第23回参議院選挙が公示された。21日の投開票に向けて選挙運動も熱を帯びている。参院選の結果は今後の成長戦略のあり方を左右するだけに、市場の注目度も非常に高い。

 今、日本はアベノミクスの下、景気循環への対応(金融緩和、財政出動)に加えて、構造改革(政治的には成長戦略という表現が好まれるようだが……)を推し進めようとしている。一般に、構造改革は中長期的に成果を期待しつつも、短期的には痛みや摩擦(既得権益の喪失など)を伴うことが多い。

 つまり、構造改革の成果は「Jカーブ」となりやすい。だからこそ、参院選後の政治は短期的な痛みや摩擦に引きずられることのない、骨太な体制を築かなくてはならない。

参院選後の政治:
「3年の選挙の空白期」が欠かせない

 そのために決定的に求められるのは「選挙の空白期」である。日本の選挙制度に基づくと、選挙の空白期は理論上、最長3年である。しかし、この3年の選挙の空白期は、戦後を通じて1980年代に2度(いずれも衆参同日選挙によって実現)あっただけで、極めて稀である。

 日本が中長期的な構造改革の必要性に直面することとなったバブル崩壊以降(1990年2月の衆院選以降)も、平均548日(1年半)という短いスパンで国政選挙(衆院選、参院選)が繰り返された。

 そのたびに、短期的に痛みを伴う構造改革の先送りが政治的に正当化されてきたことを思い起こすと、今回の参院選後はぜひとも「3年の選挙の空白期」を実現させたい。