予想どおりに、資源国通貨の急落をきっかけとして円は全面高となりました(「雇用統計ショックで『資源バブル』破裂?円全面高は資源国通貨反落から始まる!」参照)。

 これで、「円高第3幕」の本格化が確認されたと言えそうです。

 今回の円高トレンドは、2007年6月につけた124円から始まりました。

 そこから円買いが進んで、2008年3月の95円までが「円高第1幕」。その後、中休みをはさんで2008年8月の110円から2009年1月の87円までが「円高第2幕」。

 そして2回目の中休みを経て、2009年4月の101円から始まった「円高第3幕」の本格化が、今回の91円台までの円一段高によって確認されたと言えそうです。

米ドル/円 日足
ついに本格化した「円高第3幕」だが、<br />「小動きの夏」がドル/円の特徴で…
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 このように、ついに本格化した「円高第3幕」ですが、このまま一気に90円割れとはならないかもしれません。それは「夏」という季節性の影響もあるのではないでしょうか?

1年でもっとも小動きの7月、
2番目に小動きの8月

 下に示した2000年以降の「米ドルの対円騰落状況」の表を見ればわかるように、年間12ヵ月の中で、7月の米ドル/円は平均値幅が最小となっています。つまり「1年でもっとも小動きの月」なのです。

 ちなみに、翌8月は「1年で2番目に小動きの月」となっています。

米ドルの対円騰落状況(クリックで拡大)
ついに本格化した「円高第3幕」だが、<br />「小動きの夏」がドル/円の特徴で…

 従って、円高進行が目先足踏みしたとしても、一方で大きく円安に戻すというのは難しいのではないでしょうか?

 もちろん、いくら「1年でもっとも小動きの7月」と言っても、4~5円の値幅では上下動しますから、足元の米ドル/円の下限が90円レベルだとして、94~95円まで戻らないというわけではありません。

 しかし、リバウンドが強まっても、95円を大きく超えることは難しいのではないでしょうか?

 私は以前、円高トレンドにおける調整円安が一巡してから、円高が本格化するまでには、経験的に2~3ヵ月はかかるということを紹介しました(「『100年に一度』の円高はこれから本格化!再加速して、ドル/円は87円割れに向かう」参照)。

 その意味では、今回の円安のピークである101円をつけた4月初めから、すでに3ヵ月以上経過しています。だから、「円高第3幕」が本格化するタイミングに入っているとは思います。

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