奨学金に寄付集め。
システム化されている、お金のしくみ

編集部 そういえば、6月のイスラエル・ヨルダンへの演奏ツアー、寄付を集めて実現したそうですね。失礼ながら、ハーバード大学は裕福な家庭のご子息が行く学校だから、世界中を旅して回れるんだ、さすがセレブと勘違いしていました。

廣津留 オケの学生は、私も含め全員奨学金をもらっているので、皆がツアー費用をまかなえるわけではなくて。特に今回はツアーの実行委員がすごくがんばってくれてハーバード大のOB・OGの名簿に電話をかけたりメールを送ったりして、目標金額に達するまで寄付を募っていました。私もメールで呼びかけたりしていました。最後は個人の方の大口の寄付があってツアーの実現が叶ったらしいんですが。

編集部 学生主体の団体でも、ハーバード大のサイト内に、寄付ページを立ち上げたりできるのはいいですね。怪しい団体ではないとわかりますし。

廣津留 そもそも、ハーバードには、OB・OGの大先輩にも寄付を募れるようなシステムが先に確立されていて、頼るのは先輩方という流れがあるようです。上限はありますが、オーケストラのレッスン代の補助金とか、バイオリンの弦や弓を替えた費用も、レシート持って行けば出るものもあるんです。

編集部 そこまでしてくれるのですか?

廣津留 そもそも先輩方も、在学中にそういう支援を受けてオーケストラを続けてこられたので、自分が卒業したら、今度は恩返しの番だという気持ちで出してくださる方も少なくありません。

ハーバードでは、寮の名前や建物の名前は寄付した人の名前がつくのですが、中には寮の名前と同じ苗字の友達がいたりもして、そういう意味でも、多様性の中にいると感じます。