橘玲の日々刻々 2013年7月16日

「3年間抱っこし放題」が女性の社会復帰を阻害する
[橘玲の日々刻々]

 安倍首相は、アベノミクスの第3の矢である「成長戦略」の中核に女性の活躍を挙げ、企業に対して「3年間抱っこし放題」を実現する育児休業の拡充を要請しています。しかしこの方針は、ほんとうに働く女性のためになるのでしょうか。

 長期の育児休暇が当たり前になると、会社は「3年間抱っこし放題」してきた女性社員をどこに所属させるか頭を悩ませることになるでしょう。かつての部署のメンバーは大半が異動し、仕事そのものも変わっているかもしれません。これでは中途社員を受け入れるのと同じです。

 当の女性社員にしても、3年のブランクは不安の方が大きいでしょう。同僚はその間もずっと研鑽を続けてきたのですからいきなり同じ仕事ができるわけもなく、もしかしたら後輩にすら追い抜かれているかもしれません。

 長期の失業が深刻な社会問題になるのは、働かない期間が長くなればなるほど社会復帰が困難になり、生活保護に頼らざるを得なくなるからです。「3年育休」は自ら望んで長期の失業状態になることですから、変化の早い市場で不利にはたらくのは当然です。

 欧米では企業が託児所を併設するなどして、出産後半年程度で職場に戻るのが主流になってきています。これなら出産前と同じ仲間と同じ仕事を継続できますから、社会復帰はずっとスムーズです。

 ところが日本では、「生まれてから3年間は母親が子どもを世話すべきだ」という子育て論が女性の社会復帰の大きな障害になっています。

 


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 <執筆・ 橘 玲(たちばな あきら)>

 作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編』『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券編』(以上ダイヤモンド社)などがある。ザイ・オンラインとの共同サイト『橘玲の海外投資の歩き方』にて、お金、投資についての考え方を連載中。


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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