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「電子マネー」が瀕死のゲームセンター業界を救う?

【第6回】 2008年7月4日
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 電子マネー市場が急拡大している。取扱金額は今年度で1兆円を超える可能性が高い。2006年には約1750億円だったことを考えると、いかにハイペースで伸びているかが分かるだろう。電子マネーに詳しい安岡寛道・野村総合研究所金融コンサルティング部上級コンサルタントによると、「いずれは40~60兆円の少額決済の1割程度を占める可能性がある」という。

 この電子マネーの急拡大を受けて、「救世主現れたり」と期待に胸を膨らませているのが目下、客離れとコスト高の二重苦にあえぐゲームセンター業界だ。

 山の手線大崎駅に直結した複合施設ゲートシティ大崎内にある「CLUBSEGA」からはおカネを両替する“じゃらじゃら”というゲームセンター特有の音は聞こえてこない。すべてのゲーム機に電子マネー「Edy」の読み取り機がついているからである。

 ゲームセンター業界は「最も値上げが難しい業界」と言われる。原料価格の高騰、開発コストの増加などゲームの価格を押し上げる要因は数多い。しかし、プレー1回は、「100円」や「200円」など切りのいい金額に設定せざるを得ない。「108円」とか「215円」では、コインの投入は面倒だし、敬遠されてしまうからだ。

 しかし、電子マネーなら違う。たとえ113円だとしても、カードや携帯電話をゲーム機にかざすだけで、完了する。むしろ、100円の硬貨を投入するより手間はかからないほどだ。

 また、思わぬ増収効果もある。ほとんどの電子マネーは使用する前に、チャージしなければならないが、多くの利用者は数千円や1万円などまとまった額を一気にチャージする傾向がある。そして、多額をチャージした利用者は、気が大きくなるのか、いつもより多めに商品やサービスを購入するのだという。

 事実、セブン&アイ・ホールディングスが発行し、セブン―イレブンやイトーヨーカ堂で使用できる電子マネー「nanaco」は導入したとたんに、セブンイレブンの客単価が100円も上がった。

 電子マネーの導入で値上げを実現でき、客単価も上がる。まさに一石二鳥と言えるのだ。

 ゲームセンター業界には寒風が吹いている。セガ、カプコン、ナムコなど大手は相次いで既存店の大幅縮小、新規出店の抑制を決定している。ひょっとしたら、電子マネー導入が復活のきっかけとなるかもしれない。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 清水量介)

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