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悪魔の対話術 ~ビジネスで「したたか」に成功する~
【第14回】 2008年8月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
内藤誼人  [心理学者]

人は「夕暮れ」に「秘密」を漏らす

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 人のホンネを聞き出すのに最適な時間帯についても探ってみよう。結論からいえば、もっとも相手が口を滑らせる可能性が高いのは、「夕暮れ」だと考えられる。というのも、この時間帯において、私たちの理性がもっとも働かなくなるからだ。

 悪名高いヒトラーは、演説に適した時間として、「夕暮れ」が一番だと考えていた。

 なぜなら、この時間になると、聴衆の心がフワフワと浮ついていて、自分の言うことを素直に聞いてしまう時間帯だと考えたからだ。

 この原理は、心理学的に見ても正しい。夕方になると、朝や日中に張りつめていた緊張感や自制心が一時的にゆるんでしまうからである。本来なら秘密にしておくべきことを、ついうっかりしゃべってしまうのは、夕方なのだ。

午前中は「理性」、
午後は「感情」の時間

 午前中は「理性」の時間といわれ、午後は「感情」の時間と呼ばれる。

 午前中には、まだ頭の意識がはっきりしていて、きちんとフィルターにかけながら自分の言葉を選ぶ人でも、午後になると、感情にまかせて発言してしまう。したがって、夕暮れを狙って相手のホンネを聞き出そうとすれば、ついポロリとホンネを明かしてくれることも十分に考えられるのだ。

 デパートやスーパーの食品売り場では、夕方になると、商品の値段に「30円引き」とか「半額」などのシールがつけられることが多い。そのため、主婦たちは夕方の時間帯を狙って、買出しに行く。

 ほとんどの主婦は、売れ残りを出さないために、デパートやスーパーがしかたなく割引するのだろうと思っているが、それは一面の真理にすぎない。売れ残りを出さないという狙いがあることは確かだが、それ以上に、夕暮れになると、主婦たちの自制心が働かずに、余計なものまで買い込んでしまうという心理を利用しているのだ。

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内藤誼人 [心理学者]

慶応義塾大学社会学研究科博士課程修了。(有)アンギルド代表取締役。現在は、企業研修や講演等で、心理学の法則をもとにした人材育成や販売促進、企画力促進などに力を注いでいる。著書に『「人たらし」のブラック心理術』(大和書房)、『人は「暗示」で9割動く!』(すばる舎)、『パワーセルフ』(ダイヤモンド社)ほか多数。


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