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金融市場異論百出

フォワードガイダンス導入した
ECBの時間軸が曖昧な背景

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2013年7月24日
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 「その質問をするということは、あなたは私の声明をちゃんと聞いていなかったということですね」

 ECBのドラギ総裁は7月4日の記者会見での最初の質問にニヤニヤしながらそう答えた。質問は、イングランド銀行のカーニー新総裁は、政策金利を当面引き上げないことを市場に示唆するフォワード・ガイダンス(日本でいう時間軸政策のこと)を採用する様子だが、ECBはどうするのか? というものだった。

 直前にドラギが読んだ声明文には「理事会は、政策金利は今の水準あるいはより低い水準でかなりの期間維持されると予想している」と書かれていた。地味な表現なので、彼はそういった質問が来ることを予想していたようだ。

 日銀やFRBがこれまで採用してきたフォワード・ガイダンスには、ゼロ金利政策解除の条件として、インフレ率や失業率が示されていた。カナダ銀行や一時のFRBのように特定の時期を明示する手法もある。市場に示唆する超低金利政策継続期間が長いほど、長期金利は低下することになる。

 しかし、今回のECBのガイダンスは曖昧だ。記者会見では「かなりの期間とは、6カ月?12カ月?」といった質問が相次いだが、ドラギは「“かなりの期間”は“かなりの期間”だ」と答えていた。

 曖昧にしている背景には、金融政策の固定化を嫌う理事会メンバーがいることに加え、景気見通しをECBは下方修正していないことがある。追加景気対策というより、米長期金利急騰につられて欧州の長期金利も上がってしまったことの悩みに対処したのが今回の決定だった。導入によって欧州の長期金利はある程度低下した。

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