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7月19日 18時0分
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1ドル=100円で膠着するドル円相場〜円安の勢いは続くか?〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

来週の重要経済指標、主要企業決算についてPDF版のレポートで解説しています


アベノミクス発動でドル円相場は5月半ばに103円台まで円安が進んだが、その後約1か月で、米FRBの量的金融緩和縮小をめぐる思惑を背景に93円台まで大きく円高に振れた。その後、6月19日にバーナンキ議長が緩和縮小スケジュールを示すと、潮目が変わり(6月24日レポート)、ドル円は再び100円を上回る水準まで円安に戻った。(グラフ参照)


ただ、先週、バーナンキ議長が再び「極めて緩和的な金融緩和策の必要性」を強調した。6月19日の発言で、量的金融緩和縮小への市場の期待が強まり過ぎたことをうけて、FRBはコミュニケーションのやり直しを図ったとみられる(7月11日レポート)。再びドル円は100円を下回る水準まで円高に戻った。

5月以降、米経済指標やFRB量的金融緩和縮小をめぐる言及にドル円相場は一喜一憂している。ただ、バーナンキ議長を中心とするFOMCメンバーの考えは、大きく揺れ動いているわけではない。それは、「雇用などの改善が一段と実現すれば、量的金融緩和は縮小する」(つまり経済指標次第)そして「量的緩和縮小は金融引き締め政策ではない」である。

ただ、特に6月19日の発言以降、ドル円市場はバーナンキ発言に大きく動き、それをメディアが誇張して伝えているようにみえる。実際には、バーナンキ議長の発言などに誤解を招く面も多少はあったとしても、発言の一部が拡大解釈され、相場の材料になった面もある。

そして最近、バーナンキ議長の発言や米経済指標に、ドル円相場が特に極端な方向に動いているようにみえる。グラフでは、7月8日以降の米10年金利とドル円を対比しているが、雇用統計直後に大きく上昇した米長期金利は2.5%前後に低下しているが、一方で今週ドル円は切り返し再び100円台にのせてきた。(グラフ参照)


ドル円相場は7月から100円を境に、FRBへの思惑から相場観が拮抗してもみあいが続いているだけかもしれない。ただ、今週いくつか米国の経済指標が発表されたが、債券市場はそれを金利上昇要因とはとらえず、長期金利は低下基調にある。一方で、為替市場では米経済指標の改善を「ドル高方向」に、偏って解釈してしたようにみえる。

実際には、最近の米国の経済指標は「まちまち」である。更に言えば、7月16日レポートで指摘したとおり、4―6月GDP成長は7月末に公表されるが、これはかなりの低成長に止まると予想される。米国経済は回復を保っているが、目先は、「米経済がさほど強くない」ことに、為替市場が再び大きく反応する可能性がある。

今後、FRBが自信を持って量的金融緩和縮小を始められる経済環境は、年末までには訪れるだろう。ただ、2013年前半の米経済は、緊縮財政と輸出停滞という足かせがある中で、金融緩和による景気刺激効果が強まったことで住宅・消費が復調し、なんとかそれなりの成長を保ったという状況である。

2013年秋口からは、米国では緊縮財政の足かせが少し和らぐことがポジティブな材料である。ただ、中国などの新興国では景気減速に歯止めがかからず、ブラジルなどで金融引き締め政策が続き、景気減速圧力が一段と強まるリスクがでてきた。これが新たな金融危機の引き金にならないとしても、新興国経済の減速が、米国の景気回復の妨げになる。米FRBの量的金融緩和縮小開始は、2014年に後ズレする可能性もある。

もちろん、2012年11月以降のアベノミクス発動で始まった「円安大転換」の趨勢は変わらない。100円前後と購買力平価で説明できるドル円水準が、アベノミクスによって実現した。そして、金融緩和強化による超円高修正で、日本経済はようやく脱デフレの環境が整いつつある。だから、FRBが量的緩和縮小に動き、日本銀行が金融緩和強化を続ける中で、1年先を見据えれば更なる円安が予想される。ただ2013年夏場は、FRBの量的緩和をめぐる思惑が揺れ動くため、円安進行のペースが落ち着く時間帯ではないか。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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