質と量、グッドとビッグ

出雲 修羅場や座学、それからメンターとの関係性において、質と量のどちらに重きを置いたほうがいいのでしょうか?

 非常にいい質問ですね。たとえば年商100億円の会社と年商1億円の会社、どちらのほうがいい会社だと思いますか?年商100億円の会社がいいとは限りませんよね。誰もが名前を知っているような大企業でも、何となくブラックな空気が漂っていてグッドじゃない会社だってあると思いませんか?

 結論から言うと、会社はまずグッドであること。そして、グッドを継続したその結果としてビッグになるんです。グッドを忘れた会社はどこかで挫折します。だからまずは質が優先。最初から量を求めるのは違うと私は考えています。

出雲 なるほど、非常に腑に落ちました。当社はミドリムシで地球を救うことを理念とし、具体的には人を健康にする食品と、地球の環境に寄与するバイオ燃料を通じて、地球の役に立つ会社でありたいと思っています。そして、その使命を達成するために、私は頭が大事だと思っています。インテリジェンスという意味での頭もそうですが、「明るく、楽しく、前向きに」の頭文字をとって“あたま”。その“あたま”の重要性を、社員とも共有しています。

修羅場という実践の場でしか<br />得られないことがある。<br />勝ち残るマインドセットをいかに育むか会社はまず「グッド」であること。グッドを継続した先に「ビッグ」がある。

 たとえ修羅場が起きても、その修羅場は当人に嫌がらせをしようと思って発生したものではなく、非常にニュートラルなものです。そんなときこそ明るく楽しく前向きに取り組んで、ビッグカンパニーになれるよう頑張ります。

 今日出雲さんとお話しして感じたのは、出雲さんには経営者に最も重要な謙虚さがありますよね。人の意見に耳を傾け、学ぼうという心がある。この心を失うと自分を滅ぼすことになるので、その気持ちをなくさないように頑張ってください。

出雲 今後ユーグレナが傲慢になっていないか、何だか鼻につくと思われたときには、「どうなってるんだ!」と言ってください。新さんのような方にそう言っていただけることが、私にも今の日本にとても大切なんだと思います。

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 ロールモデルの乏しい日本において、背水の陣で未来を開拓してきた新氏が自身の経験を語り継ぐことが若い起業家に強いエネルギーを与えます。「ミドリムシで地球を救う」というミッションをグローバルなロールモデルへと押し上げようと走りつづける出雲氏にとっても、刺激ある対談になったようです。

 次回は、8月12日に更新を予定しています。


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