育児をしながら働く母親2500人に昇進意欲についてのアンケートを行ったところ、「昇進したい」と回答した人は908人(36.3%)。残りは「昇進したくない」(813人/32.5%)、「昇進のない仕事である」(779人/31.2%)だったという。この結果を見て、あなたは「女性は昇進意欲が低い」と取るだろうか、それとも「昇進意欲のある子育て中の女性が増えてきた」と感じるだろうか。

 調査は「21世紀職業財団」(東京都文京区)が2013年3月にお茶の水女子大学の永瀬伸子教授に依頼してウェブで実施。対象は300人以上の企業に勤務する子どものいる正社員女性2500人(うち、20代90人、30代737人、40代1053人、50代554人、60代66人)。

「昇進したい」「昇進したくない」は僅差
それぞれの理由とは?

 先進諸国に比べ、女性の管理職が少ないことがしばしば指摘される日本。育休後の女性が働きやすい環境がないことや、そもそも産休・育休がとりづらいこと、また最近では待機児童問題も取りざたされている。

 その一方で指摘されるのが、女性側の昇進意欲の低さ、結婚・出産後の仕事に対するモチベーションの低さだ。先日、女性向けポータルサイトで公開されたタレント・フィフィ氏へのインタビュー記事(辛口タレント フィフィが女子たちに告ぐ「なんで男性にぶら下がろうとするの?」-マイナビウーマン)でフィフィ氏は女性の管理職が少ないことについて、「自分たちが上に上がりたくないって言っているんだもんね(略)。声をあげているのはまだ一部だけだよ」と、一部の女性の仕事に対する責任感の低さについて指摘している。

 冒頭のアンケート結果に戻ると、子どもを育てながら働く女性のうち、「昇進したい」と回答した人は全体の36.3%で、「昇進したくない」と答えた人はほぼ同数の32.5%。結婚・出産を機に退職した女性の中にも自ら進んで家庭に入った女性と、仕事を続けたくても叶わなかった女性がいるであろうことから、必ずしも全体像が把握できているわけではないが、アンケート結果が拮抗している様子からは、子どもを育てながら働く女性たちの葛藤が見える。

 今後、結婚・出産後の女性の力を社会で生かしていくために、企業にはどのような試みが求められるのだろう。アンケート結果を紹介する。