社内の競争は一切なし
ボーナスは全員一律!

午後3時には仕事を終えて<br />帰ってもいい会社があった。<br />【企業インタビュー:スタートトゥデイ編】

本田 ボーナスは全員一律だとか?

前澤 完全な成果報酬主義を取っていないのは、当社のひとつの特徴かもしれません。ボーナスは全員一律。給与も同じ階層、例えば部長であれば部長で全員同じです。

本田 頑張った人間も頑張らない人間も給料が同じでは、モチベーションが保てないのではないですか。

前澤 人を蹴落として自分の成績を上げようという社員がいないことで、ストレスはずいぶんなくなるようです。むしろ、いつも働く仲間が自分と同じような成績が出せるようサポートしようという意識に頭が向かう。営業を頑張って社内のグラフで一番を目指そうというのではなく、最近元気がない同僚を手伝ってあげて、伸ばしてあげることが人間としても働き方としても有意義だ、と思うようになっていくんです。だから人として思いやりが出るし、懐も深くなる。

本田 会社に来ない、サボる、遅刻する社員がいたとしても?

前澤 あいつはサボっているのに、なんでオレの給料は上がらないんだ、ということが、そもそも議論としてなくなっていきます。世の中の会社の大半が、あいつはどうだとか、こいつはどうだとか、人間関係でこじれていると思うんです。その原因が必ずお金なんです。僕は、お金にそんなふうに人間関係を左右されるのがいやで、一切の競争が生まれない仕組みにしようと考えました。もうずいぶん前からこうなんですよ。

 平均的な給与は、IT業界では標準、アパレル業界ではちょっといいくらいだといいます。高いわけではない。ただ、こうした給与の仕組みがあり、競争をしない風土があるということを理解して入社してくる人は、むしろその点を評価している可能性もあります。
 入社時点でかなりスクリーニングされることになる。この会社に合う人材が入社してくる、ということです。