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PTA全国協議会が例のあの調査を打ち切り
「子どもに見せたくないテレビ番組」アンケート

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第39回】 2013年7月26日
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 公益社団法人日本PTA全国協議会という、文字どおりPTAを統括する組織があって、毎年、恒例行事のように“子どもに見せたくないテレビ番組”アンケートをやっていた。

 古くは、ザ・ドリフターズの『8時だヨ! 全員集合!』を筆頭に、最近では『ロンドンハーツ』『クレヨンしんちゃん』『めちゃ×2イケてるッ!』等々が上位に名を連ねていたアンケートだ。

 こういった番組は児童青少年の育成に悪影響を及ぼすとされ、かつては“ワースト番組”などと呼ばれていた。秋口に行なわれるアンケートは、集計の後、この時期に公表されていたのだが、協議会はアンケートそのものをもうやらないことにしたらしい。

 調査を打ち切りにした理由はというと、毎年こればかりがメディアに報じられ、他の調査結果を取り上げてもらえないから――、だそうだ。PTA協議会なのに子どもじみたことを言っているような気がするのは気のせいだろうか。

 私は教育の現場をよく知らないが、たとえば、本当は算数が好きで頑張っているのに、何故かクラスメイトには図工だけが褒められる児童がいたら、教師はその子にどういう指導をするのだろうか。

 PTAの答え。図工を教えるのをもうやめる。
 理由。毎年図工ばかりが褒められ、他の教科は褒めてもらえないから。

 おそらく、日本PTA全国協議会はこういうことを言っているのだろう。自分たちはいろんな調査をしているのに、取り上げられるのは“子どもに見せたくない番組”ばかりだから、もう調査するのをやめた、とはこういうことだ。

 あるいは、新聞メディアがそれしか取り上げないのは、他の調査内容や結果が取り上げるに値しないと判断されたか、でなければ、メディアとPTA協議会のマンネリ感が何年も続いていたかのいずれかだろう。

 子どもに見せたくない番組だけが取り上げられるのなら、他にも実施している調査を取り上げられるように頑張ろうという考えは、残念ながらPTA協議会にはないようだ。図工だけを褒められる児童に、じゃあ算数も国語も頑張ろうね、とは言わないんだろうな。

 何となく、日本の教育の一端を垣間見たような気さえする。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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