2004年12月にクリスマスにちなんだいコンサートへ4回出演している。体調は悪化していたようだが、舞台では元気いっぱい、美しいソプラノ・ヴォイスを聴かせた。曲目はいずれも2枚のアルバム(「AVE MARIA」「時」)から選択され、弦楽器を主体にしたアンサンブルにピアノを入れた編成により、本田美奈子さんのスタイルが確立してきていた。

女性コンマスで「アーリー・クリスマス・コンサート」

女性ロックバンドWild Cats以来15年<br />全員女性のピアノ五重奏でクラシック(2004年)新宿文化センターで歌う本田美奈子さん。舞台に座って歌唱したのは「風のくちづけ」(レスピーギ)だった
(撮影=原田京子、提供=BMI)

 12月の3公演、4回の演奏会は、以下のスケジュールと会場で開催されている。

(1)12月4日 本田美奈子. 高野二郎アーリー・クリスマス・コンサート(神田慶一指揮、青いサカナ室内合奏団、三鷹市芸術文化センター)

(2)12月22日-23日 アヴェ・マリア 本田美奈子.クリスマス・コンサート(2日連続、新宿文化センター大ホール)

(3)12月24日 めざましクラシックス(王子ホール)

 12月4日の(1)は、テノールの高野二郎さんとのジョイント・コンサートで、主催者は三鷹市芸術文化センターだった。

 青いサカナ室内合奏団は、神田慶一さんが主宰する「国立オペラ・カンパニー青いサカナ団」のメンバーによる小編成の室内オーケストラである。青いサカナ団は国立音楽大学の関係者によるオペラ・カンパニーで、1989年に結成されてから毎年継続してオペラの公演を行なっている。神田さんは芸術監督として作曲、演出、指揮まで手がける。このジョイント・コンサートも全曲の編曲者、そして指揮者でもあった。

 当日のプログラムは以下のとおり。

(1)本田美奈子. &高野二郎 with 青いサカナ室内合奏団
「アーリー・クリスマス・コンサート」
2004年12月4日(土)14:00開演
【会場】三鷹市芸術文化センター風のホール
【企画監修】池田卓夫
【出演】本田美奈子.(ソプラノ)高野二郎(テノール)
神田慶一(アレンジ、指揮、ピアノ)
青いサカナ室内合奏団

【プログラム】
①「エデンの東」レナード・ローゼンマン作曲 本田美奈子日本語詞(本田美奈子)
②「人知れぬ涙」 ~オペラ「愛の妙薬」より ガエターノ・ドニゼッティ作曲 青井陽治日本語詞(本田美奈子)
③「笛のアリア」~オペラ「魔笛」より W.A.モーツァルト作曲(高野二郎)
④「愛はすべてを変える」~ミュージカル「アスペクツ・オブ・ラヴ」より アンドリュー・ロイド・ウェバー作曲(高野二郎)
⑤「惑星」の主題による室内小組曲 G.ホルスト作曲 神田慶一編曲(オケ)
⑥「ジュピター」G.ホルスト作曲 岩谷時子作詞(本田美奈子)

★休憩★

⑦「昴」谷村新司作詞作曲(高野二郎)
⑧「浜辺の歌」成田為三作曲 林古渓作詞(高野二郎)
⑨「マリア」~ミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」より L.バーンスタイン作曲(高野二郎)
⑩「この素晴らしき世界」ジョージ・ダグラス作曲 森寧子日本語詞(本田美奈子)
⑪「グリーン・スリーブス」イングランド民謡(本田美奈子)
⑫「誰も寝てはならぬ」~オペラ「トゥーランドット」より(本田美奈子)
⑬「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」F.サルトーリ作曲 L.クアラントット作詞(デュエット)
アンコール 「きよしこの夜」F.X.グルーバー作曲 ヨーゼフ・モール作詞