橘玲の世界投資見聞録 2013年7月26日

どうしようもなく不便で理不尽なロシアを
なぜロシア人は改善しないのか?
[橘玲の世界投資見聞録]

 ハバロフスクはアムール川とウスリー川の合流するシベリアの要衝で、夏でも夜になると気温は20度ちかくまで下がり、酷暑の日本から比べるとものすごく快適だ。日本海に面し、ロシア海軍の太平洋艦隊基地が置かれる海の要衝ウラジオストクまではシベリア鉄道で760キロ、約12時間の旅になる。

 ハバロフスクやウラジオストクは「日本からもっとも近いヨーロッパ」といわれるが、これは誇張ではなく、石造りの建物を抜けてロシア正教会のドームがふいに現われると、ここが東京から飛行機で2~3時間の街だとは思えなくなる。

石造りの建物に囲まれた角を曲がるとロシア正教の聖堂が現われる(ハバロフスク) (Photo:©Alt Invest Com)
街行く女性はみんなおしゃれ(ウラジオストク) (Photo:©Alt Invest Com)

 こうした錯覚が生まれるのは、極東の都市部に暮らすひとびとの多くがスラブ人などのコケイジャン(白人)であることも理由だ。彼らの祖先は、モスクワやサンクトペテルブルク、あるいはウクライナやベラルーシから、さまざまな事情でユーラシア大陸の東の果てへと流れてきた。

 短い夏はシベリアのもっとも美しい季節で、石畳の道をドレスアップした金髪・碧眼の女性が歩いていると、まるで映画の一シーンのようだ。アムール川の岸辺での日光浴も、そこだけ切り取ればニースやカンヌと変わらない(ただしアムール川は対岸の中国の工場からの廃棄物で汚染が懸念され、遊泳が禁止されている)。

アムール川の日光浴。夏のいちばんの楽しみ。ただし汚染で遊泳は禁止(ハバロフスク) (Photo:©Alt Invest Com)

 

 シベリアの町は日本人にとっても魅力的な避暑地になり得ると思うのだが、残念なことにその魅力をじゅうぶんに活かしきっていないようだ。

 日本人の多くは、「ロシアはよくわからない」と思っている。たしかにこの国は多くの謎に満ちている。




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 <執筆・ 橘 玲(たちばな あきら)>

 作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編』『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券編』(以上ダイヤモンド社)などがある。ザイ・オンラインとの共同サイト『橘玲の海外投資の歩き方』にて、お金、投資についての考え方を連載中。

 


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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