株式レポート
7月26日 18時0分
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マーケット・アップデイト 7月26日 - 広木隆「ストラテジーレポート」

下放れた日経平均

この仕事をやっていると、年に何度か、書くことがないという状況に出くわす。今もそうだ。当面の市場展望については、もう書いてしまっているのである。世間的には、与党圧勝、ねじれ解消を受けた参院選後の相場がどうなるのか、それを語るべきというところなのだろうが、それも書いてしまっているのである。

7月5日付け「7月末の日経平均株価予想 上昇相場第2幕が始まる」というレポートではこう述べた。
<調整完了、いよいよ上昇相場第2幕のスタートだ。日経平均は7月末には15,000円近辺まで上昇するだろう。>

材料として、①参院選、②第1四半期の決算発表、③水準感(テクニカル面)を挙げ、それぞれの観点から上昇相場第2幕のスタートだと述べたのだ。ご丁寧に - 自分の書いたものに対して「ご丁寧に」というのは、ちょっと変だが - ④番目の要因で、2020年夏季オリンピックの開催都市として東京が選ばれる可能性についても言及した。考えられるシナリオは網羅したと思う。

事実、日経平均は7月に入ってからレンジを切り上げ、7月前半には14,000円台を固め、そして7月半ば以降は14,000円台後半での推移が続いてきた。<7月末には15,000円近辺まで上昇するだろう>と述べた通り、19日には一時14,953円まで上昇した。しかし、16,000円目前で急落に転じた5.23ショックの連想からか、この日も上昇から一転して400円近くにまで下げ幅を広げる場面があった。その後は、すなわち今週は5.23直後とは違って非常に安定した推移をしてきた。上値は概ね14,800円台、下値でも14,500円を割ることがなかった。

ところがここにきて、その狭いレンジの保ち合いを下放れてしまった。本日、日経平均は午後に一段安となり、400円を越える急落となった。まるで1週間前の再現だ。5.23ショックのあと、決まって木曜日が大幅安となることから「暗黒の木曜日」などという言葉がマーケットで喧伝されたが、これでは「暗黒の金曜日」だ。

これといった下げの要因は見当たらない。考えられるとすれば2つだ。ひとつは、決算発表シーズンの序盤戦でややネガティブな発表が目立ったこと。もうひとつは為替が円高気味に振れたことである。

決算発表

これまで発表された主要企業の決算でポジティブなものを挙げれば、
日本電産: 4-6月期上振れ分を通期上方修正で◎ 翌日の株価は10%高と急騰
ダイハツ: 4-6月期として最高益 通期据え置きも上振れ必至で株価急伸
日電硝子: 4-6月期の経常利益が市場予想を上回り、一時ストップ高

それに対してネガティブな方は、
キヤノン: 通期下方修正、ネガティブ・サプライズ
信越化学: 初めて開示した通期予想がコンセンサスに届かず
株価はいずれも売られて大幅安となった。
確かに、キヤノンや信越化学という国際優良銘柄の業績がぱっとしなければ、市場全体への重石となるのは仕方ないのかもしれない。しかし、信越化学が公表した会社計画は2014年3月期の経常利益1800億円と前期比6%増益のみ込み。市場のコンセンサスに届かなかったとは言え、それは市場コンセンサスが高過ぎるか、会社側が保守的なのかのどちらかだ。塩ビや半導体シリコンウエハーも好調で、ここまで売られるような業績ではない。

僕は、企業をカバーするアナリストではないからあくまで感覚的な物言いになるが、キヤノンだって保守的過ぎる気がする。キヤノンの第2四半期(4-6月期)の営業利益は前年同期比6%増の984億円となりアナリスト・コンセンサス通りである。つまり、足元が下振れした下方修正ではなく先行きを弱く見ての下方修正だ。中国、欧州でのデジタルカメラの不振が足を引っ張るとの見立てである。しかし、最近のPMIなどから欧州景気は意外に早く持ち直す可能性もある。加えて為替レートの前提が円高過ぎるので、その分は確実にバッファーがある。

来週はいよいよ決算発表も佳境を迎える。ピークは31日の300社の発表だ。良好な業績の確信度が高い自動車は、31日にホンダ、富士重、8月2日にトヨタがある。シャープ、ソニーの発表は8月1日。4〜6月期の営業黒字転換との報道でシャープは一時3%高と逆行高を演じる場面があった。来週は企業業績に対する見方も好転してくるのではないかと思う。

ドル円

円高方向に動いている。昨日の東京時間から円高に振れ、海外でもそのトレンドが継続。本日の昼過ぎには、一時98円70銭を割り込んだ。昨日の米国で、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が「FRBは、事実上のゼロ金利政策を継続する目安とする失業率の水準について7月30〜31日の連邦公開市場委員会(FOMC)で議論する」と報じたことから、利上げのハードルを高める可能性が意識され、それが金融緩和長期化期待につながったとされている。

バーナンキ議長が繰り返し言っているように、緩和縮小についての既定路線はない。経済次第である。よって市場の思惑や観測も揺り戻しが幾度もあるのは当然だ。しかし、米国経済の向かっている方向はどちらか?と問われれば、それは景気回復の途上に間違いなくあり、それゆえ米国の金融政策が向いている方向は、量的緩和の縮小であることは間違いない(それが即、ゼロ金利解除につながらないということもバーナンキ議長が強調している点だ)。

一方、日本はこれから異次元緩和でマネタリーベースを増やそうというところ。金融政策の方向性が日米で真逆である。この要因ひとつとっても、ドル円相場の円安・ドル高は基調として不可逆的だろう。繰り返すが、相場だから何度も綾戻しはある。しかし、その「綾」にいちいち反応するべきではなく、トレンドに眼を向けるべきである。



ドル円の一目均衡表で雲の上限は98円76銭。まさにマーケットはその水準を試しに行っている。おそらくここはサポートされるだろう。円高も超短期のスパンではここがピークであろう。

日本株相場が企業業績失望懸念と円高が材料で売られたとするなら、来週は戻りを試す展開となるだろう。来週は月末月初で重要な経済指標の発表が目白押しだ。ドルが買い戻される展開はじゅうぶん想定できる。


(チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

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(マネックス証券)


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