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中堅コンビニam/pm買収に
競合他社が二の足を踏む理由

週刊ダイヤモンド編集部
2008年9月22日
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 「怖くて、誰も手を出せない」(大手小売業幹部)

 首都圏を中心に1135店展開する中堅コンビニエンスストアのエーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)を、親会社のレックス・ホールディングスが売却するとの観測が出ているが、買収に意欲的なコンビニチェーンは現れていない。

 コンビニ業界3強のセブン-イレブン・ジャパンやローソン、ファミリーマートは、具体的な検討をしていない状況だ。レックスも「売却する方針を固めた事実はない」としている。

 しかし、am/pmはここ数年、小売業界内では有名な“出物”だったことは確かだ。

 ローソンやファミリーマートは過去、買収に興味があるか打診されたことを認めているが、同業だけでなく「2年前に(レックス傘下の高級スーパー)成城石井とセットで買収の打診に来た」(大手流通企業幹部)、「初めて来たのは1年半前」(大手専門店幹部)といった話は挙げればキリがない。「合計約20社近くに持ちかけているようだ」(業界関係者)というから驚きだ。

 だが、なぜこうも買い手が現れないのか。そこには大きく2つの理由が挙げられる。

 第1にam/pmの店舗立地だ。同社は首都圏を中心に店舗を持つが、「われわれにとって家賃が高過ぎて断念した立地に出店しているから、多くの店の損益分岐点は高いはずだ」(大手コンビニ幹部)。

 同社の平均日販は約45万円。それより日販が約3万~10万円多い大手3強でさえ尻込みするような立地に出店しているのだから、「どの店も欲しくない」(同)と言われても仕方ない。

 第2にコンビニ各社が敷くフランチャイズ制というビジネスモデルだ。
当然ながら加盟店がコンビニ本部に月々支払うロイヤルティなどの契約条件は各社違う。加盟店は“個人事業主”で本部とは対等であることが原則。

 そのため経営状況の改善のために契約条件などを変更しようとすれば、加盟店に理解を得て納得してもらわなければならない。本部主導で一気に変更することはできないのだ。

 仮にam/pmを傘下に収めたとしても約800人もの加盟店オーナーを説得するには多大なコストと時間を要する。

 同社の再建には店舗を精査し大胆な閉店が必要だといわれる。再建には手間がかかることは確かだ。どのチェーンも手を出せないのが本音だろう。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 片田江康男)

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