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8月2日 18時0分
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アベノミクスに対する空しい批判〜日米の成長率格差〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

来週の重要経済指標、主要企業決算についてPDF版のレポートで解説しています


2012年11月半ばから始まった、円高修正と大幅な株高を経験した個人投資家の多くは、デフレ(それに起因する超円高)下にある日本において、金融政策の転換が、マーケットと経済状況に決定的な影響を及ぼすことを実感しただろう。

2013年1―3月実質GDPは前期比年率+4%の高成長となったが、今週発表された経済指標を踏まえると4―6月も同3.6%と同様の高い成長を維持したと推計される(8月12日公表予定)。4―6月の成長を牽引したのは、消費、住宅という家計支出で、株高など金融市場好転とデフレ期待の和らぎが、経済活動を刺激している。

まだ景気回復が始まって半年しか経過しておらず、脱デフレに向けた道のりは始まったばかりで、再び総需要を減らす消費増税に踏み出す環境とは言い難い。ただ、金融政策の大転換が国内需要を刺激し、それは失業率低下など労働市場の改善にも波及しつつある。

一方メディアでは、アベノミクスを批判、揶揄、曲解する議論はまだ強い人気がある。特に、民主党政権の経済政策に携わったり、白川総裁率いる日本銀行を応援していたヒトが、そうした議論を展開している。見方を簡単に変えられないということだろう(中には、政権交代と同時に、大胆に意見を変えた経済学者もいるが)。

ただ、現実に起きていることを否定するのは難しいから、ダイレクトにアベノミクスを批判する言説は減ってきた。その代わり増えているのが、「金融緩和だけでは不十分」「アベノミクスで景気が回復したのではない」など論点をすり替え、金融緩和転換を実現させたアベノミクスを間接的に批判する議論である。

一例として以下のような分析を披露するヒトが挙げられる。「日銀の金融緩和は機能していない。円安株高が起きたのは、米国の景気回復や米FRBのおかげ。」

ただ、超円高の修正が起きたのは、政権交代の可能性が浮上した11月半ばからだ。既に安倍自民党総裁は金融緩和強化を訴えて総裁選挙に勝利していた。まともな投資家なら、総裁交代を迎える日銀の政策大転換と将来の脱デフレを想定できた。

「日銀の金融緩和策は機能していない」という人は、金融市場を見ていない、あるいは「金融政策で動く人々の期待によって、インフレ・デフレが変わる」ことを理解できないのだろう(デフレは構造的という議論の人気は未だ強い)。一方、「円安は、米国の景気回復やFRBの金融政策で説明できる」と、米国要因ではドル円が動く不自然な解釈を持っているのだが。

「日本の金融政策は効かない」と思い込んでいる人は、これまでの円安ドル高は、米国の景気回復(あるいはFRBの金融政策)で説明できる、と強弁する。しかし、2013年1―6月の米国GDP成長率は年率換算+1.4%という緩やかな成長に止まっていた。

一方、先に説明したとおり、日本では同じ時期に年率4%近い高成長が半年続いた。GDPには推計誤差があるため幅を持ってみる必要があるが、これまでの円安・株高・景気回復が米国要因でもたらされた、と考える方がどうかしている。

2013年初めからの日本経済の復調は、自らの経済政策のパラダイムシフトで実現したのである。これが続くかどうか?それは、脱デフレと経済正常化を目指す経済政策が、来年以降も続くかどうか次第である。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

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(マネックス証券)


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