週刊ダイヤモンド 87600回――これ、何の回数だと思いますか? 答えは、平均寿命を80歳とした時、人が死ぬまでにとる食事の回数です。なんとまあ多いことか。

 この何万回と繰り返される“食事”という行為を支えるのが、食料。その食料にまつわる問題が、最近、身近なところで多発しています。

 毒入りギョーザ事件で安全面が心配になり、全漁連の一斉休漁で今日の献立が心配になり、食料価格の高騰では財布の中味が心配になり……。心配事は増える一方です。

 そこで今週の週刊ダイヤモンドでは、そんな話題の食料問題を徹底研究。“消費”の現場から“生産”の現場までをつぶさにたどり、問題を丁寧に読み解きました。

 まずは、食糧問題の本質から。これについては、「なぜ吉野家は値上げしないのか?」をキーワードに、吉野屋ホールディングスの安部修仁氏に解説していただきました、身近な牛丼の話になぞらえているため、非常に解りやすい内容になっています。

 他にも、こんな大変な時代だからこその農家の努力や、その中間流通を担う農協の問題~果ては日本の農業問題などなど、読み応えたっぷりです。

 また、読んだらちょっとギョッとするようなトピックも、もちろん用意してございます。

 「知らぬが仏の回転寿司」では、ネタの偽装に迫っています。深海魚など食べたことはないと思っているみなさん、知らないうちに口にしているかもしれません。

 どのネタに使われているか? ここでネタをばらすわけにはいきませんが、読者の皆さんもきっと一度は食べたことがあるはず。また深海魚ネタ以外にも、回転寿司のアッと驚く「工夫」が満載ですが、読んだらお寿司が食べられなくなるかもしれませんので、ご覚悟を。

 その他、日本一の料理人、京味・西健一郎氏のインタビューでは、なかなか聞けない“一流の料理人ならではの経験・知識”と、そこから見えてくる日本の食事場を見つめます。一流料理人の彼が、なぜ韓国産の「鱧」を使うのか…? 気になるところです。

 食に関する問題が後から後から起こる、苦労の絶えない時代です。こんな時代だからこそ、私たちはなにを知り、どう行動すべきかを問われています。日常的な生活にも、ビジネスにも参考にしていただける内容。ぜひご一読ください。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 新井美江子)