転職で「年収アップ」したいなら
企業の1人当たり売上高を見よ

「転職に成功した」とはどういうことかを考えたとき、いわゆる「よい会社」に入社することを思い浮かべる人がいるかもしれません。しかし、それは大いなる間違いです。転職で成功した姿とは、新しい職場で生き生きと働いていることに尽きます。いくら世間のイメージが良い会社に転職しても、いろいろな点で自分とは合わず、毎日暗い顔で出社するようでは決して「成功」と言えません。

 自分に合った職場を探すには当然、情報収集が必要になります。ただし、その前に自分が何のために転職するのかを明確にしておかなければなりません。そうでなければ判断の基準を持つことができず、判断材料としてどんな情報が必要になるのかもわからないからです。自分が求めているものをハッキリさせたうえで、それがその会社にあるかという視点で見ていくことが大切です。

 たとえば「収入を増やしたい」が転職の主な目的だったとします。その場合、企業から提示される給与だけではなく、従業員1人当たりの売上高や利益額が判断のうえで重要な情報の1つとなります。その企業の1人当たり売上高が1000万円を切っていれば、年収が1000万円以上になる可能性は低いというように考えていくわけです。

 イケイケドンドンで社員を増やしているベンチャー企業では、10億円の売上高に対し従業員数が200人という会社を見かけることもあります。これだと1人当たり売上高は500万円ですから、収入を増やす目的には合いません。ただし、よく話を聞いてみると「社員数は20人で、残りの180人はパート」という場合もありますから、転職の目的に関わる重要な情報については、面接などの際にきちんと突っ込んで確認していくことです。

 一方、その会社のカルチャーや雰囲気に好感を持てるか否かも、転職先の選択において重要な要素です。こうした感覚的な部分は細部に現れます。ホームページの言葉遣いや作り方もそうで、自社の紹介の仕方ひとつをとっても何か鼻につく会社もあれば、とても好感が持てる会社もあります。