36万部突破!『伝え方が9割』著者
佐々木圭一氏インタビュー

 大ベストセラーとなった『伝え方が9割』。コピーライターとしての17年に及ぶ経験と独自の研究で伝え方の法則を発見した著者の佐々木圭一氏に、あらためてなぜ「伝え方」が重要なのかを聞いた。

――佐々木さんの本がこれほど大ヒットとした理由を、ご自身ではどう考えていますか。

 ツイッターやフェースブックなどが爆発的に広がったことによって、だれもが人に評価される時代が突然やって来ました。

 自分の書き込みをみんながどう評価するか、「いいね!」の数がいくつかが気になる。前回は50個「いいね!」があったのに、今回は5個しかないのはなぜだろうか、と。書き方、伝え方をどうすればいいか、だれもが考えざるを得ない時代になっています。

 もう1つ、本を出したのがきっかけで最近、いろいろな企業の集まりなどに講演で呼ばれ、経営者の方々と話して実感しているのですが、日本のものづくりの技術は本当にすばらしい。ただ、みなさん悩んでいるのは、すばらしい技術やその技術によって作り上げたものの良さが、うまく伝わっていないことです。

 日本の製品は、機能が優れているのにグローバル市場ではなかなか売れない。ものはいいのに、その良さがうまく伝わっていない。そういう気持ちが強まっているのだと思います。

――「伝え方には技術があり、共通のルールがある」という佐々木さんの考え方は画期的でした。

 トレーニングによって伝え方が向上するという考え方がこれまでありませんでした。技術を知ればだれでも使える。そのコンセプトの新しさが受けたのだと思います。

 これまでは、伝える力と人間力は同じもので、厳しい試練を乗り越えたり、失敗と成功を積み重ねたりしないと身に付かないものだと思われていました。