月200時間以内に
労働時間を抑える

なぜ、この会社は<br />若い人に圧倒的な知名度と就職人気があるのか?<br />【企業インタビュー:Plan・Do・See(プラン・ドゥ・シー)編】「ルールに縛られない評価をしていく、というのは、なかなか勇気がいる作業ですよね」(本田)

本田 ルールに縛られない評価をしていく、というのは、なかなか勇気がいる作業ですよね。

笹山人事部長は、これまで人事の経験がない人物にお願いしています。人事経験者だと、どうしても発想が過去の延長にならざるを得ません。それより、現場を熟知した優秀な人材に人事を任せたほうが、大胆な発想ができる。もちろん現場でどんどん人が育っている、ということもあると思いますが。

本田長期的に見れば人事は最も大きな利益を生む場所でもありますよね。

笹山人事は、利益を生む人材を獲得したり、その風土を創り出す場所です。海外研修など、多くの人材に教育投資ができているのも、高い利益率のビジネスがあってこそ、だと思います。それこそ年間に60人もの社員を海外研修に送り込んだり、幹部を何人も海外に派遣したり、留学させたりしている会社が、もっと規模の大きな会社でもそうそうあるとは思えません。

本田 大変な投資ですが、極めて価値ある投資だ。

笹山現場の店舗の責任者は、自分たちの店の状況はもちろんですが、会社の全売上利益を共有して把握するようにしています。しかし、一般のスタッフにはそれは求めませんし、売り上げは意識してもらうものの、特に利益はあまり意識させません。利益を意識し始めると、削らなければいけないというイメージが頭の中に残ってしまうからです。お客さまと一番多く接する人は、利益のことではなく、いかにお客さまにいいものを提供するか、をまずは考えてほしいと思っています。最善のサービスとは何かを追求してほしい。その投資効果を判断するのは、あくまでマネージャーであるべきです。

本田だから、最前線できちんと顧客のほうを向いたサービスをすることができる、と。

笹山さらに、月200時間以内に労働時間を抑えようと短時間労働にも取り組んでいます。これがまた、利益率を引き上げることになる。社員の満足度を高めることにもつながる。まさに利益率の高さが、素晴らしいスパイラルを生んでいるということだと思うのです。