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野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む

もはや「円安」は期待できないこれだけの理由

――投機的資本移動と為替レートの分析

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第22回】 2009年5月23日
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 前回、つぎのように述べた。第一に、国際収支上の「その他投資」(および「誤差脱漏」)は、円キャリー取引の動向を示すものと解釈できる。第二に、その動きによって為替レートの動向が説明できる(少なくとも、そう考えて矛盾しない)。すなわち、これらが流出になれば円安が進行し、流入になれば円高が進行する。

 今回は、このことをもう少し長い時間幅で確かめてみよう。そして、これが持つ政策的・理論的含意について考えることとする。

 まず、為替レートの変動を見ると、つぎのとおりだ。

 実質実効為替レートは、2000年以降、ほぼ一貫して円安方向に動いた。しかし、名目円ドルレートを見ると、つぎの4つの時期に明確に区別できる(【図表1】参照)。

【図表1】名目為替レートの推移(円ドル、2000年1月~)

(1)2000~2002年頃まで円安に動いた(1ドル=100円程度から130円程度に)
(2)2002~2005年頃まで円高に動いた(1ドル=130円程度から110~105円程度に)
(3)2005~2007年まで円安に動いた(1ドル=105円程度から125円程度に)
(4)2007年夏以降に急激な円高が生じた。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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