橘玲の世界投資見聞録 2013年8月15日

マレーシア・サンダカン、
日本に背を向けて建つ“からゆきさん”の墓
[橘玲の世界投資見聞録]

前回、シベリアの日本人墓地の話を書いたので、何年か前にカリマンタン(ボルネオ)で訪れた日本人墓地のことも記しておきたい。

 カリマンタンは東南アジア最大の島のひとつで、植民地時代に南部がオランダ領、北部がイギリス領に分割された。独立後もこれが国境となってインドネシア領(南)とマレーシア領(北)に分かれ、さらにはマレーシアから石油・天然ガス資源が豊富なブルネイが分離独立している。ボルネオというのは、ブルネイに由来したこの島の英語名だ。

 マレーシア領カリマンタンの中心都市はコタキナバルで、近年はリゾート開発が進んでいるが、牧歌的な雰囲気も残していて日本人のリタイア層にも人気が高い。

 イギリスは北ボルネオ(サバ州)を統治するために北ボルネオ会社を設立したが、コタキナバルはその本拠地で、当時はイギリス人(北ボルネオ会社副会長)の名をとってジェッセルトンと呼ばれていた。それが独立後に、カリマンタンの最高峰キナバル山(標高4095メートル)からコタキナバルと改名されたのだ。

カリマンタン(ボルネオ島)の中心都市、コタキナバル  (Photo:©Alt Invest Com)

 ジェッセルトン(コタキナバル)が建設される前は、サバ州の中心都市は島の東端のサンダカンだった。ここは日本への南洋材(ラワン材や黒壇、チーク)の輸出基地で、明治・大正時代から多くの日本人が暮らしていた。戦後も木材を買いつける商社員などが常駐し、日本人会も活動していたが、環境破壊や森林資源の枯渇が問題になるにつれて貿易量は減少し、いまでは町で日本人の姿を見かけることはほとんどない。



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 <執筆・ 橘 玲(たちばな あきら)>

 作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 究極の資産運用編』『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券編』(以上ダイヤモンド社)などがある。ザイ・オンラインとの共同サイト『橘玲の海外投資の歩き方』にて、お金、投資についての考え方を連載中。

 

 


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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