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第2次リストラ時代(!?)に贈る 私が「負け組社員」になった理由

マスコミからは人気者でも、社員からは総スカン!? “裸の王様”女社長に忍び寄る「影」

独りよがりの経営改革で、社員のひんしゅくを買う藤芳氏のケース

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第11回】 2009年2月23日
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 メディアに登場する経営者が率いる会社は、たいてい業績がいいものである。

 しかし、たとえ売上が増えても、社員の心をつかむことができない経営者はいる。メディアはそれを伝えないが、懲りない社長はいるのである。

 今回は、数年前に、社員らと対立した経緯を本にするなどして自分を売り込み、「自分は変わった」と“宣伝”しながらも、一向に社員の心を掌握できない女社長を紹介する。

 このような経営者が、あなたの身近にもいないだろうか――。

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■今回の主人公
藤芳 愛里 仮名(36歳 女性)
勤務先: 関西にある中堅通販会社の女社長。従業員数は130人。自らの「経営改革」を本として著したり、講演を仕掛けたりと、広報には長けている。テレビやラジオ番組にも出演するなど、いまや、「人気者」である。しかし、社員を統率することは苦手。とくに古参の社員とのトラブルは絶えない。
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(※この記事は、取材した情報をプライバシー保護の観点から、一部デフォルメしています)

自分をコントロールできない
“やり手社長”

 「やっぱり、あなただったのね。早く、みんなに謝りなさいよ。細川君はルーズだから、こうしたミスをするのよ」

 「すいません……」

 「常識がない人ね。だから、ダメなの。あなたは……」

 入社して半年の細川は、うつむいたままだ。営業部のフロアが静まり返る。

 細川は、昨日、資料を保管するロッカーの鍵をポケットに入れたまま、家に帰ってしまっのだ。今日の午前中から、営業部員はその鍵を探し続けた。

 夕方になり、取引先への訪問から戻ってきた細川を、社長の藤芳が問いただした。

 「早く謝りなさいよ!」

 細川が小さな声を出した。藤芳が詰問する。

 「そんな声では聞こえないでしょう。あなたは男じゃないの?」

 「……」

 「小さな声では聞こえない! だから、あなたはダメなのよ。半年経っても電話すらまともにできないじゃない。だから、あなたは……」

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。


第2次リストラ時代(!?)に贈る 私が「負け組社員」になった理由

会社から冷遇され、気がつくと「負け組」となってしまった人たちを毎回取材。彼らの実体験を振り返ることで、企業の冷酷さだけでなく、自己防衛できなかった敗因を分析。第2次リストラ時代で生き残る術を探る。

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