シェール革命は日本に何をもたらすのか
【第5回】 2013年8月19日
著者・コラム紹介
横山恭一郎[野村證券エネルギー・チーム ヴァイス・プレジデント]
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米中から始まるエネルギー価格調整のうねり
プラント・造船など日本企業への恩恵に期待
——横山恭一郎・野村證券エネルギー・チーム ヴァイス・プレジデント

今発生している変化は限定的
今後大きな構造変化が起きる

よこやま・きょういちろう
2009年2月からテーマ調査を担当。98年野村證券入社。2年半の支店営業を経て、2000年12月に企業調査部に異動。アナリストとして3年間ITチームで中小型ソフトウェア開発企業を担当した後、2004年1月に野村国際(香港)に出向。香港駐在の3年間では、香港および中国の電力セクターを担当すると同時に、中国企業を中心としたアジア企業のIPO担当アナリストとして、銀行や海運、通信、小売、石炭など多岐に亘る企業の調査を行う。2007年よりアジア調査部のストラテジストとして、主に豪州と韓国、台湾を担当。2009年2月より現職で、エネルギー関連のテーマ・技術を幅広くグローバルにカバーしている。

 シェール革命とは、米国におけるシェールガスとシェールオイルの大増産を出発点に、さまざまな経路で波及効果を及ぼしながら、化石燃料の価格水準の修正をもたらす一連の動き、と筆者は考えている(図表1)。

 これらの構造変化を引き起こす各事象のうち、既に発生している事象はまだ限られている。これは、ガスや原油の輸送に必要となるLNG(液化天然ガス)やパイプラインなどのインフラ、これらの化石燃料を使用する各種プラントなどの設備能力といった現時点での物理的な制約に加えて、今後のそれらの設備能力拡大に必要となる時間的な制約があるためである。

 ただし、5年あるいは10年単位という長期的な時間軸で考慮すると、これらの制約条件が徐々に取り払われることによって、上述したエネルギー市場における大きな構造変化が具現化されていく可能性がある。

 シェールガスの商業生産を契機に米国の天然ガス生産量は急増している。1990年代半ばから2000年代半ばまで、米国での天然ガスの総生産量はおおむね24兆立方フィート前後の水準で長らく安定して推移していた。しかし、1990年代末のテキサス州Barnettにおけるシェールガス開発の成功を受け、2000年代半ばにシェールガスの本格的な商業生産の拡大が始まると、天然ガス生産量は増加に転じ、2012年には2006年比約27%増となる29.8兆立方フィートまで拡大した。

注:網掛け部分は既に変化が起こり始めている事象を表す
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シェール革命は日本に何をもたらすのか

アメリカで起こったシェール革命は、世界の天然ガス産出国に大きな衝撃を与え、また輸入国にとっても、少しでも安価に天然ガスを輸入しようと、資源外交の練り直しが迫られている。東日本大震災以来、エネルギーの安定確保は日本にとって喫緊の課題だ。そうした状況下で、シェール革命は、日本に何をもたらすのだろうか。

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