ニューヨークダウと日経平均が相次いで1万円割れの値を付けるなど、内外の株価の下落が続いている。

  先般、やっと下院を通過した米国の金融安定化法の効果は資産を買い取る価格によるので、不十分であるかもしれないが、相当程度効果的である可能性もある。そういう意味では、当面の市場はこの解釈に当たって弱気に傾き過ぎているような感じがする。

 他方、金融収縮の実体経済への悪影響が本格的に出てくるのはこれからだろうし、米国の不動産価格の下落も続くだろうから、株式市場の悪材料は尽きない。

 判断に迷うところだが、悪材料があるうちに株式を買って、その後に事態が改善する変化をリターンに変えるのが、株式投資で大儲けするための要諦だ。

  特にサブプライム問題の実体経済へのダメージが小さい日本の投資家は、今後の内外の株式市場を主として投資チャンスを探すという目で見るべきだろう。この点で、タイミングをいつにするかとともに、どのように投資するかも考えておきたい。

 こうしたなか、最近目を引くのが著名投資家ウォーレン・バフェット氏の動きだ。先般、ゴールドマン・サックス(GS)に50億ドルの出資を行なったばかりだったが、次には、ゼネラル・エレクトリック(GE)に30億ドルの出資を決定した。

 ただ、GEの今回の資本調達は、GEのような優良会社でも資金繰りを心配していることを窺わせる。率直にいって、筆者はこのニュースを見て、かなり弱気になった。

 今回のバフェット氏の投資の条件は特別待遇だ。2件とも10%ものクーポンを持った優先株で、長期間有効な普通株の取得権が付く。いずれの場合も、普通株を時価で買うより実質的に何割か安い条件で買っている。