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父と娘の就活日誌

どんな会社がいいの?

楠木 新
【第1回】 2007年10月22日
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 今年7月のこと。大学3年生の長女が、鉄鋼系商社の会社説明会に参加して帰ってきた。妻が「裕美は、どんな会社を希望しているの?」と食卓で切り出した。

  「まだ何も考えていないよ。ただコンビニと衣料品小売店でバイトをしてみて、自分はお客さんの対面でサービスするよりも、周りの人と協力しながら進める仕事の方が向いている気がする。」

  「実は、お父さんも自分はホテルや百貨店の接客は向いていないと思ってる。裕美も私に似ているのかもしれないな。」

  「それじゃ、お父さんはどんな会社がいいと考えているの?」

  「一般的な“いい会社”なんてありえないと思うよ。会社には、それぞれの社風があって、勤める人の向き不向きや好き嫌いもある。また、結婚、子育てなど、個人のライフステージが変わると、会社の姿も違って見える。働く側も変化するわけだ。裕美の年齢で、それらを見通すことは無理だと思うよ。」

 自分の就職活動から、ほぼ30年が経過した。その間、入社した金融機関では、人事部に在籍して採用の責任者も務めた。そして、いまや娘の裕美が就職活動する年になった。本当に月日が経つのは早い。

 私の場合は、「安定した大企業」が就職の選択基準で、「地元の関西で長く暮らせたら」というのが志望動機だった。特に会社でやりたいこともなく、自分の向き不向きも分からなかった。

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楠木 新

金融機関に勤務するかたわら、「働く意味」をテーマに執筆、講演などに取り組む。12万部を超えるベストセラーになった『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)、『就職に勝つ!わが子を失敗させない「会社選び」』(ダイヤモンド社)など著書多数。近著に『人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人』(東洋経済新報社)がある。


父と娘の就活日誌

働く価値観が多様化する中、超売り手市場の環境下で、大学生はどのように企業選択をしていくのか。就職活動に臨む大学3年生の娘と父とのリアルな対話を通して、実状に迫る。

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