スマホ普及で“市場”は拡大
都内の検挙数は前年比24%増

 盗撮事件の性質は、近年大きく変化している。従来、盗撮は、「超小型カメラ」「ペン型カメラ」などの特殊なツールを使いこなせる、いわば「玄人」による事件が大半であった。

 しかし、昨今、盗撮ツールは携帯カメラやスマホなどの身近な機器へと移行し、盗撮された画像が出回る“市場”も拡大したと言っていい。警視庁によれば、昨年1年間に都内で、盗撮で検挙された件数は615件(前年比24%増)と、5年前の1.6倍に増加した。

 この背景には、スマホの普及や撮影音を消すアプリの流通などがあり、実際に上記半数がスマホによる盗撮である。しかし、盗撮の被害者が増えた半面、スマホを操作しているだけで盗撮犯に間違えられるなどのリスクも拡大している。

「そもそも乗客に取り押さえられそうになった時点で潔白を主張すべきだ」
「やっていないなら、謝らなければいいじゃないか」

 読者の方のなかには、そう思う方も多いかもしれない。しかし、考えてみてほしい。電車で「盗撮犯人」と指差された時点で、周りの乗客から一斉に厳しい視線を注がれる。警察署では、取り調べの手練れの警察官に囲まれ、責められる。そのような状況でただ一人、潔白を主張するのは大変難しいのが実情である。

 では、盗撮を疑われた場合、どのように対応したらよいのだろうか。100%刑事事件のみを扱う法律事務所の代表弁護士として刑事事件に取り組んできた経験から、実践的な対応法を解説したい。