株式レポート
8月20日 17時0分
マネックス証券

住宅市場は依然好調を維持も、長期金利の上昇が懸念材料 - マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部「米経済の「今」を読む -経済指標動向-」

住宅着工件数 7月 89.6万戸  市場予想 90万戸  前月 84.6万戸(改定)
住宅建築許可件数 7月 94.3万戸 市場予想 94.5万戸 前月 91.8万戸(改定)
※いずれも年率換算・季節調整済み

■好調が続く住宅市場と懸念材料
16日に発表された7月の住宅着工件数および住宅建築許可件数は、いずれも市場予想にはわずかに届かなかったものの、前月から増加し住宅市場の好調が続いていることを確認させる結果となった(グラフ参照)。


今年の春先に比べると住宅着工件数はやや鈍っているものの、先週発表された住宅市場の先行指標であるNAHB住宅市場指数は回復が続いており、住宅市場の先行き見通しも堅調なものとなりそうだ。

懸念材料は長期金利の上昇である。米国の10年債利回りは8月19日現在で2.8%を超えており、上昇を続けている。

長期金利と連動して動く住宅ローン金利も上昇しており、フレディマック住宅金利(30年固定)は先週時点で4.4%であるが、現在の長期金利水準が続けば、5%超えが視野に入ってくる。住宅金利の過度の上昇は住宅購入意欲を削ぐため、米経済を牽引する好調な米国住宅市場の足かせとなってしまう可能性がある(グラフ参照)。


■長期金利の上昇要因は?

では足元の長期金利の上昇要因は何か。FRBによるQE3の早期縮小観測に加えて、次期FRB議長についての思惑から長期金利が上昇している可能性がある。
8月15日付けレポートで記したとおり、次期FRB議長は現FRB副議長のイエレン氏と元財務長官のサマーズ氏の一騎打ちの情勢である。
これまでは金融緩和政策に対してハト派中のハト派と目され、一部民主党議員からの支持も寄せられているイエレン氏の優勢が伝えられてきた。しかしここにきて、一部メディアでサマーズ氏就任可能性の高まりが伝えられるようになった。

ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルが8月12日―14日の間に機関投資家に対して行った調査によると、次期FRB議長をサマーズ氏と予想する回答が7月末の27%→36.4%に増加、逆にイエレン氏を予想する回答が7月末の66%→52.7%と減少した。

フィナンシャル・タイムズ紙によるとサマーズ氏は今年に入ってから、「量的金融緩和政策は多くの人が想定するほど実体経済の押し上げに効果を発揮していない」という趣旨の発言をした。この発言から、サマーズ氏は金融緩和縮小ペースを早めるのではないかとの観測が生まれており、結果として米長期金利の上昇につながっているのである。

量的緩和の縮小開始時期と次期FRB議長が明らかになるまでは、長期金利は緩やかな上昇基調が続く可能性がある。

■用語解説
住宅着工件数
米国内で建設が開始された住宅戸数を示す、住宅関連の経済指標。個人消費の動向を見極める上での先行指標として注目される。



マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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(マネックス証券)


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