フィリピン 2013年8月30日

マニラ・ダンボールに捨てられた赤ちゃん
ビアンカの物語

フィリピン在住17年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者のためのなんでも相談所」を運営する志賀さん。今回は、志賀さんの仕事の相棒ジェーン家の玄関に捨てられ、その家族として成長した少女・ビアンカの物語です。

 1998年、私の仕事の相棒であるジェーンの家の玄関にダンボールに入れられた赤ちゃんが捨てられていた。母親が人に頼んで玄関に置き去りにしたのだ。名前も誕生日もわからない乳飲み子だった。

 ジェーンの家には2歳なる長兄ダシンの子どもがいるだけだったので、さっそく家で育てることにした。とりあえずブランカ(白紙)と名づけたが、のちに、より一般的な女の子の名前のビアンカに変えた。色白で目の大きい可愛い子だった。

 学校に入るにはちゃんとした出生証明がないと具合が悪い。そこでビアンカは母親(マミー)の子ども、すなわちジェーンの妹として届けられた。その後、長兄ダシンに長男、次兄アランに長女、次女、と次々と孫が生まれて、マミーの愛情も実の孫へと移っていった。そして、ビアンカの試練が始まったのだ。

サンパギータの花束を胸に飾るビアンカ、11歳(推定)【撮影/志賀和民】

 

ビアンカの胸に秘められた複雑な思い

 小学校へ行くようになって、ある日、学校の先生から呼び出しがあった。全然やる気がなくて、他の子どもたちの迷惑になるから退学させたいというのだ。結局、留年の憂き目となり、農場の近くの学校に移してマミーと暮らすようになった。ビアンカは、他の子どもたちが実の親に可愛がられているのを見て複雑な思いを胸に秘めていたのだ。

 ジェーンがビアンカを責めて、「いったいお前は何が欲しいのか」と聞いたら、ビアンカの答えは「Love」の一言だったそうだ。

ジェーン一家の年末の記念写真、右端のビアンカは心なしか遠慮気味におさまっている【撮影/志賀和民】

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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