かつては外食業界の王者として長く君臨したすかいらーく。洋食が普及する前からファミリーレストランを大量出店し、急成長した。しかし、市場の変化により失速。投資ファンドの傘下となった。今、そのすかいらーくが再び成長しようとしている。(「週刊ダイヤモンド」編集部 清水量介)

【企業特集】すかいらーく(前編) <br />ファミレスとは何かを問う <br />常識破りの改革で再上場へ今のガストはおなじみのファミレスの外観。しかし、数年後には日本中で大きな変化が表れる可能性が高い

 傷の癒えたヒバリが、再び大きく飛び立とうとしている。

 日本語で「ヒバリ」を意味する社名の、すかいらーく。同社は長らく外食業界の王者として君臨してきた。

 1号店をオープンさせたのは1970年。当時、日本の外食では豊富なメニューをそろえた洋食店はどこにでもあるわけではなく、ピザなどは六本木の専門店でしか食べられないという状況だった。ところが、すかいらーくは、当初からピザなど多くの日本人にとって目新しいメニューを提供。

 さらに、効率的なチェーン運営の仕組みもつくり上げた。30分待たなければ料理が出てこない時代に10分で出すことを目指し、スピードアップと均質化を図るため、店舗とは別の食品加工工場であるセントラルキッチン建設にも率先して取り組んだ。

 祖業である「すかいらーく」に加えて、「ガスト」「バーミヤン」「夢庵」「藍屋」など、多くのファミリーレストランを次々と展開。40年間で開発した業態は100を超えた。また、レジのPOS(販売時点情報管理)化やボタンを押して従業員を呼ぶ仕組み、ドリンクバーなど、それまでの外食業界にはない仕組みを早くから導入していった。

【企業特集】すかいらーく(前編) <br />ファミレスとは何かを問う <br />常識破りの改革で再上場へPOSにドリンクバー、ボタンを押すと店員が来る仕組みなど、かつてすかいらーくは、業界初となる革新的なことを導入していた。当時のインパクトと同様の改革が今起ころうとしている
Photo by Ryosuke Shimizu
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