株式レポート
8月23日 18時0分
マネックス証券

米国金利に連動し始めたドル円〜ミスプライシングの修正〜 - 村上尚己「エコノミックレポート」

来週の重要経済指標、主要企業決算についてPDF版のレポートで解説しています


8月半ばまで為替市場では円高ドル安が続いていた。このドル円の動きについて、8月8日レポートにおいて、「米金利とかい離する格好で進む円高は、6月同様のミスプライシング」、「9月FOMCが近づくにつれてミスプライシングは修正される」と見通しを述べた。

今週8月20日に、ドル円は96円台まで円高に振れるなど円高地合いが続いていたが、昨日(8月22日)ドル円は98円台後半までドル高が進む格好になった(グラフ参照)。8月に入ってからの米長期金利の上昇というドル高要因に、ようやく為替市場が反応し始めた可能性がある。


そもそも、これまで大した理由もなく円高が進んでいた(ミスプライシング)と筆者は考えているわけだが、米FRBの量的金融緩和縮小への思惑がドル高要因になり始めたのは、先のレポートで示したように「9月FOMCが近づいてきた」というのが一つの理由だろう。

今週判明した、7月に開催されたFOMCの議事要旨によれば、量的金融緩和縮小開始を巡るFOMCメンバーの意見にはまだ若干の相違がある。ただ、これまでバーナンキ議長などが繰り返しているように、労働市場を中心に景気回復が続くことが量的金融緩和縮小を始める条件という点では、メンバーの意見は集約しつつある。

先週と今週発表された米国の経済指標は、まちまちの結果だが、総じてみれば景気回復が続いている。そして、9月6日発表の8月分の雇用統計も、これまでどおりの雇用の伸びが予想される。それを確認して、9月FOMCでFRBは量的金融緩和縮小に踏み出すとみられる。

そうした状況が、為替市場で冷静に認識されるようになったことが、足元のドル円の動きの変化として表れているのだろう。更に、ドル円が米国金利に連動し始めたもう一つの理由として、米国経済回復を妨げる新興国・欧州経済の停滞リスクが、夏場に入って和らいでいることが挙げられる。

最近の金融市場では、インドなどの大幅な通貨安や、ASEAN諸国の株安など新興国市場の混乱が目立っている。一方、昨日(8月22日)判明した、8月分の中国製造業PMI指数(HSBC調査)は久しぶりに50の大台に回復した。また、中国向け輸出が多い、欧州製造業のPMI指数も7、8月と2か月連続で改善している(グラフ参照)。


8月19日レポートで紹介したが、新興国通貨が連鎖的に売られている中で、8月になってからブラジルや中国株式は反発に転じている。これらの株式市場の変化は、新興国経済が下げ止まりつつある可能性を示しているが、今週判明した中国と欧州の製造業景況感指数改善は、それを裏付けた。

米国の量的緩和縮小への思惑が、新興国への投資フローに影響を及ぼす面だけが、メディアで強調されている。ただ実際には、これまでの金融緩和による景気刺激効果で米国と日本が成長し、それらの総需要拡大が、新興国や欧州経済の安定につながっているかもしれない。

そうであれば、米FRBが量的金融緩和縮小に踏み出せる環境が整いつつあることになる。米国だけではなく、欧州、アジアの経済指標の改善という変化が、ドル円のミスプライシングの修正をもたらしているわけだ。




(チーフ・エコノミスト 村上尚己)

■ご留意いただきたい事項
マネックス証券(以下当社)は、本レポートの内容につきその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。当社が有価証券の価格の上昇又は下落について断定的判断を提供することはありません。
本レポートに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、当社の意見や予測をあらわすものではありません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
当画面でご案内している内容は、当社でお取扱している商品・サービス等に関連する場合がありますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、マネックス証券のウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」(※)をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。
((※)https://info.monex.co.jp/policy/risk/index.html)

■利益相反に関する開示事項
当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、並びに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。

(マネックス証券)


マネックス証券
株式売買手数料(指値) 口座開設
10万円 30万円 50万円
100円 250円 450円
【マネックス証券のメリット】
日本株投資に役立つ「決算&業績予想」、信用取引ではリスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」が便利。米国株は最低手数料5ドル(税抜)からお手軽に投資が可能で、米国ETFを通じて世界中に分散投資できる。投資先の調査、リスク管理、リスク分散など、じっくり腰をすえた大人の投資ができる証券会社と言えるだろう。一方、短期・中期のトレードに役立つツールもそろっている。逆指値ほか多彩な注文方法が利用できる上に、板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」が進化中だ。日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」も提供しており、スイングトレードに役立つ。
【関連記事】
◆AKB48の4人が株式投資とNISAにチャレンジ!「株」&「投資信託」で資産倍増を目指せ!~第1回 証券会社を選ぼう~
◆マネックス証券おすすめのポイントはココだ!~日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
マネックス証券の口座開設はこちら!

 

株主優待名人の桐谷さんお墨付きのネット証券!最新情報はコチラ!
ネット証券口座人気ランキングはコチラ!
NISA口座を徹底比較!はコチラ
株主優待おすすめ情報はコチラ!
優待名人・桐谷さんの株主優待情報はコチラ!

 

Special topics pr

ZAiオンラインPickUP
[クレジットカード・オブ・ザ・イヤー2017]2人の専門家が最優秀クレジットカードを決定! 2017年版、クレジットカードのおすすめはコレ! おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き その 【株主優待】最新の株主優待情報更新中! アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは?
ランキング
1カ月
1週間
24時間
じぶん銀行住宅ローン 「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証 アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!


 

10月号8月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

Amazonで「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!


【最強「株」ランキング&ふるさと納税・秋冬版】
速報! 上方修正必至好スタート株13
・3年で2倍を狙う「儲かる株」ランキング!
成長+割安+配当の「3拍子揃った最強株25」
[17-18年秋冬版]ふるさと納税 大カタログ
・禁断の ふるさと納税「還元率」ランキング
株で1億円作る とっておきのマル秘ワザ
美人主婦のコツコツ「デイトレ」術!
・毎月分配型投信「本当の利回り」激辛診断!
・アナタの危険度は?「老後貧乏」から脱出!
利回り6%超も! 直近3カ月の「新設優待株」
・まだ買える? 高値更新中の米国株をチェック
・勝谷誠彦の「兵庫県知事選挙・散財記」

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

Apple Pay対応のクレジットカードで選ぶ! Apple Payに登録して得する高還元率カードはコレ! 堀江貴文や橘玲など人気の著者のメルマガ配信開始! クレジットカードに関するクチコミ情報大募集中!