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地の利を生かしてアジア強化
フィンランドの航空戦略

週刊ダイヤモンド編集部
2010年1月7日
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 成田空港からおよそ9時間半。フィンランドはあまり知られていないが、「日本に最も近いヨーロッパ」の国だ。人口は532万人と東京の半分以下で、経済的には小さな国家だが、航空業界では、地理的な優位性を生かした独自戦略に特徴がある。

 日本のみならず、アジア各国から一番近いことから、言わば「ヨーロッパの玄関口」としての存在を目指しているのだ。

乗り継ぎ客の満足度を高めるため、豪華なラウンジやスパ施設も整備

 フィンランド航空(通称、フィンエアー)の収益のうち、2008年はアジア路線の占める割合が4割だったが、09年には5割まで急拡大した。さらに現在、中国やインドなど、アジア各国5都市との新路線を検討している。

 日本では成田と関西国際空港、中部国際空港の三空港に就航している。未曾有のエアライン不況のあおりで関空や中部からは、JALなどの撤退が相次いでいるが、「日本から一番近いヨーロッパという事実が浸透すれば、顧客は必ずフィンエアーを選ぶ」(ペトリ・コステルマー副社長)と、腰を据える構えだ。

 ヘルシンキ空港は、空港使用料の10%ディスカウントなどの戦略で後押しをする。空港運営会社・フィナビアのサムリ・ハーパサロCEOは「欧州のほかの空港と比べて、元々安い水準だったが、さらに下げた」と胸を張る。

 2009年12月には空港ターミナルの拡張が終了。空港の利用可能人数は年間1600万人と、従来の三割以上となった。乗り継ぎ客の満足度を高めるため、豪華なラウンジやスパ施設をオープンした。

 「9・11を凌ぐ最悪の不況」と言われている現在の航空業界だけに、フィンランドのユニークな戦略の奏功が目立つ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 津本朋子)

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