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「引きこもり」するオトナたち

生活困窮、生きづらさ…
ひきこもり大学は多様な痛みを抱えた人々を救えるか

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第164回】

 先日、生活困窮に直面する引きこもり当事者らが、「ひきこもり大学」発案者の当事者Mさんと打ち合わせを行い、それぞれの思いを語った(「ひきこもり大学」についての説明は、第163回の記事の通り)。

前回、お知らせしたように、「引きこもり」というカテゴリーで括ると幅広いため、それぞれの当事者が直面する課題に応じて少人数の分科会を作り、1ヵ月に1回くらいのペースで話し合いを進めていくことになったのだ。

 そして打ち合わせの結果、9月5日(木)18時から、『経済的問題を抱えたひきこもり当事者による会合』、20時から『ひきこもり大学』を「生きていたいと思うようになりたい」というテーマで開くことがそれぞれ決まった。

あと2ヵ月で貯金が底をつく
「経済的事情」を抱えた40代男性

 「生活困窮というよりも、経済的事情という言葉を使ってほしい」

 打ち合わせの冒頭、当事者からの要望を受けて、Mさんは、こう提案した。

 「それならテーマを3つくらい作っておいて、その話題を30分くらいずつ話し合えれば、今日の参加者みんなが満足できるかもしれない」

 そんな「経済的問題」というテーマで話を切り出したのは、1人暮らしの40代男性Aさん。ここ4年ほど引きこもっていて、いよいよ底が見えてきた。あと2ヵ月くらいで貯金がなくなり、生活が干上がってしまうという。

 Aさんは元々、中学・高校時代、不登校になり、引きこもった。その後、一生懸命頑張って、アルバイトや派遣で仕事を続けてきた。しかし、リーマンショックの影響で雇用契約が更改されず、再び引きこもる。

 以来、Aさんは働くことができなくなった。

 「履歴書が書けない。面接を受けられない。何も売りがない。何もないまま、ここまで来てしまった感じです」

 借金漬けの実家の両親を頼ることもできなかった。バイト時代に蓄えた貯金を切り崩すだけの日々が続いていく。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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