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日本の製造業を復活させる二つのカギ――アナリティクスとダイバーシティ

【第22回】 2013年9月4日
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 日本企業のマーケティング機能は、個別の製品部門ごとにあることが多く、分散している。これでは、マーケティングに関する知見が全社で有効に活かされない。一方で、製品流通の統合も進んでおらず、今現在のユーザーが製品をどう使っているか、どう感じているかを理解できていない。

 また、製造設備や流通過程にあるさまざまなセンサーから得られる現場の情報を、従来のIT部門が扱ってきたERPやCRMといったシステムと関連付けるITとOT(オペレーション・テクノロジー)の融合は、製造業ITにおいて注目分野となっている。サプライチェーンへのIT投資は7%の伸びを示しており、全体平均の2倍となっている。

 これまで分断されていたシステムを統合し、アナリティクスによってサプライチェーンやサプライヤーを見える化し、得られた知見を経営に活かす取り組みを進めていく必要がある。

UCCの活用で開発期間の短縮化が進む

 必要な視点の第2はダイバーシティ(多様性)だ。日本において最も活用されていない資源は女性労働力だと言われるが、全く同感だ。日本には優れた文化、経済、技術があるが、これまでとは違うやり方でこれらを活用しないといけない。そのためには働く人のダイバーシティが不可欠になる。

 中国企業がどうしてイノベーションができるようになったのかを考えてほしい。もともとアメリカの優秀な学生や研究者に中国人が多かったことはあるだろう。そうした人々が自国の市場の成長を見て、帰国して中国企業に参加するようになった。しかし、たとえばファーウェイは、シリコンバレーに巨大なイノベーションセンターを建設し、エリクソン、シスコなどから技術者を引き抜いている。そこには中国人も多いが、それだけでなく、さまざまな人種が働いている。シリコンバレー特有のダイバーシティを貪欲に取り入れているのだ。

 ダイバーシティの推進を支援するITとしては、UCC(ユニバーサル・コミュニケーション&コラボレーション)ツールが注目されている。製品開発過程は多様化しており、地理的に開発拠点が分散するケースも多い。本社や、支社、ODM先など拠点間で3DCADなどの情報をいかに共有し、いかに協働作業をスムーズに進めていくか。有力なCADツールベンダーではUCCによる連携機能の向上に力を入れている。開発期間を短縮し、一刻も早く製品を市場に投入することが、より成功に近づくからだ。(談)
 

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