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あえて“書くだけ”に特化したデジタルメモ「ポメラ」の新しさ

【第30回】 2008年11月13日
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ポメラ
液晶サイズは4インチ。張り出したキーボードは、普段はふたつに折り畳んだ状態で収納されており、持ち運ぶ際は文庫本サイズとなる。

 写真の商品、一見すると、スマートフォンか最近流行りのミニノートPCのように思われるかもしれないが、そうではない。事務用品メーカーのキングジムが発売した「ポメラ」という、文書作成のみに特化したデジタルツールである。

 「メモ書きだけでは物足りない」という向きもあるかもしれないが、では実際に、それ以外の用途でモバイル端末を活用しているかと問われれば、心許ない方も多いはず。ネットを利用したいのであれば携帯電話で事足りるのだから、よほどのヘビーユーザーでない限り、多機能・大容量のモバイルギアは「鶏を割くに焉(いずく)んぞ牛刀を用いん」――つまりは、その機能を持て余しているのが現状ではないだろうか。

 その点、「ポメラ」はじつにシンプルだ。扱えるファイルはテキスト形式(.txt)のみ。日本語入力システムはATOKが採用されていて、内蔵メモリにはテキストファイル(8000文字以内)を6ファイルまで保存できる。データはmicroSDカードに保存でき、USB接続によってPCに転送することも可能だ。電源は単四アルカリ電池を使用し、実使用動作時間は約20時間。モニターはモノクロVGA液晶画面を搭載。フォントサイズは3種類が用意されている。

 さて、そんな「ポメラ」の一番の売りは、わずか2秒で立ち上がるという起動スピード。さらに、一度電源をオフにしてから再起動しても、直前の作業中の文書が表示される点である。「すぐに続きから書き始められる」というのは、思いのほか使い勝手がいい。ふいに思いついたアイデアをしたためたり、ちょっと気分転換したあとに、改めて文章を見直してみたり……。PCでは出来そうで出来なかったストレスフリーなライティングスタイルは、デジタル機器との新たな付き合い方を示唆しているようで興味深い。

 「メモ書き」だけに絞ってしまおうという「ポメラ」の発想は、まさに「コロンブスの卵」。通信機能さえ備えていないというのは、いっそ潔ささえ感じさせる。分類するとすれば、電子辞書などの「デジタル文具」の仲間ということになろうか。敢えて、ひとつの機能で勝負する――多機能・大容量化が進むデジタルデバイスへのカウンターパンチとなり得るか、注目したいアイテムだ。

(中島 駆)

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