株式レポート
9月6日 18時0分
バックナンバー 著者・コラム紹介
マネックス証券

サブシナリオと買いヘッジ PART2 雇用統計の予想とジブリの法則 - 広木隆「ストラテジーレポート」

昨日のレポートでは、「押し目待ちに押し目なし」となるサブシナリオを提示した。市場関係者の多くが「波乱の秋」といい相場の乱高下に備えている。下げたとしても、いいところを拾えるか分からない。ならば事前に仕込んでおこう、それが「買いヘッジ」だと述べたのだ。今晩発表される米国の雇用統計が、予想を上回ろうと、下回ろうと、どちらにせよ上昇する可能性が高いとの見方も示した。

昨日発表された民間の雇用統計であるADP雇用レポートはほぼ市場の予想通り、前月比17.6万人の増加。以前はADPと政府の雇用統計の結果がかなり乖離するケースもあったが、最近はADPの調査法の見直しで、そうした乖離も少なくなっている。ADPを先行指標として捉えてよいのではないか。週次で発表される新規失業保険申請件数も低い値が続いている。4週移動平均で見ると2007年10月以来の低水準だ。

また、昨日発表された8月のISM非製造業景況感指数は58.6と市場の予想を大幅に上回り 2005年12月以来の高水準となった。中身の雇用を見ると57に上昇し、6カ月ぶり高水準となった。これは今晩発表される雇用統計のなかで最も注目を集める非農業部門の雇用者数(NFP, Nonfarm Payrolls)の伸びが力強いものになる可能性を示唆している。と、いうのもNFPは、そのほぼすべてがサービス部門、すなわち非製造業によるものといえるからである。例えば、先月発表された7月の非農業部門の雇用者数は16.2万人の増加となったが、内訳はサービス部門が15.7万人の増加で、製造業はわずか0.4万人増である。



だから当然のようにISM非製造業景況感指数の雇用の項目と、NFPの伸びの連関性は高い(グラフ1)。目の子勘定で恐縮だが、今晩のNFPは20万人増を越えてくるのではないかと思う。

エコノミストでもないお前がいい加減なことを言うな!とお怒りの向きもおられよう。しかし、僕はかねてから、この雇用統計のお祭り騒ぎには辟易としているところがあるので、ドタ勘で「20万人増!」と言って憚らないのである。

米国の雇用者数、トータルでは何人か、ご存知だろうか?1億3600万人である。リーマンショック前の2008年には1億3800万人に昇った。それがリーマンショックで1億2900万人に減少。実に900万人の雇用が失われたのである。そういうレベルの話なのだ、雇用統計というのは。具体的に見てみよう。
7月の非農業部門の雇用者数は16万2000人の増加だった。18万3000人という予想を大幅に下回ったことが失望され、それまで1ドル100円ちょうど目前にまで迫っていた円相場は99円を割り込むところまで売られ、それから1カ月も調整した経緯がある。

しかし、そもそも、この16万2000人の増加というのは6月の1億3587万6000人から1億3603万8000人への増加ということだ。18万3000人増加を見込んでいたというのは実数では1億3605万9000人を予想していたということである。つまり、1億3605万9000人を予想していたら出てきた数字は1億3603万8000人だったということである。その差は率にすると0.01%である。土台、1億何千人というレベルの予想なのだ。数万人のずれなど誤差というものである。それを、予想に届かなかったと言っては大騒ぎして為替レートが1円以上も動く。今回、仮に20万人を越える増加となれば、「FOMCでのテーパリング開始決定的」などと言ってまた大騒ぎになるだろう。愚の骨頂だと思う。

だから、そういう「ゲーム」なのだと思って参加したほうがいい。イベントに賭けるというのはそういうものである。

こういう幼稚なマーケットだから「ジブリの法則」などが話題になる。「ジブリの法則」とは、米雇用統計の速報値が日テレのジブリ映画放映日に発表されると、市場予想を下回る傾向があるというものだ。日本版WSJ(ウォールストリートジャーナル)の記事によれば、2010年以降、雇用統計の発表日とジブリ映画の放映日が重なったケースは10回。そのうち9回では速報値が予想を下回っているという。

前述した先月の雇用統計のときも、「天空の城ラピュタ」が放送された。そしてやはり、雇用統計は下振れし、円高となったのだ。今晩の放送は「紅の豚」。WSJからの引用を続ければ、「紅の豚」は過去に2010年と2012年の2度ほど雇用統計発表日に放映されている。そして、いずれの場合も速報値が予想を下回ったそうだ。ここで「さて、果たして今晩はいかに」、と言いたいところだが、あえて僕の予想を書いておく。20万人超のNFPが出てドル高だろう。「さて、果たしていかに」はここで使うべき言葉だ。

「飛ばない豚は、ただの豚だ」(ポルコ・ロッソ『紅の豚』)


(チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

■ご留意いただきたい事項
マネックス証券(以下当社)は、本レポートの内容につきその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。当社が有価証券の価格の上昇又は下落について断定的判断を提供することはありません。
本レポートに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、当社の意見や予測をあらわすものではありません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
当画面でご案内している内容は、当社でお取扱している商品・サービス等に関連する場合がありますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、マネックス証券のウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」(※)をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。
((※)https://info.monex.co.jp/policy/risk/index.html)

■利益相反に関する開示事項
当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、並びに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。

(マネックス証券)


マネックス証券
株式売買手数料(指値) 口座開設
10万円 30万円 50万円
100円 250円 450円
【マネックス証券のメリット】
日本株投資に役立つ「決算&業績予想」、信用取引ではリスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」が便利。米国株は最低手数料5ドル(税抜)からお手軽に投資が可能で、米国ETFを通じて世界中に分散投資できる。投資先の調査、リスク管理、リスク分散など、じっくり腰をすえた大人の投資ができる証券会社と言えるだろう。一方、短期・中期のトレードに役立つツールもそろっている。逆指値ほか多彩な注文方法が利用できる上に、板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」が進化中だ。日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」も提供しており、スイングトレードに役立つ。
【関連記事】
◆AKB48の4人が株式投資とNISAにチャレンジ!「株」&「投資信託」で資産倍増を目指せ!~第1回 証券会社を選ぼう~
◆マネックス証券おすすめのポイントはココだ!~日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
マネックス証券の口座開設はこちら!

 

株主優待名人の桐谷さんお墨付きのネット証券!最新情報はコチラ!
ネット証券口座人気ランキングはコチラ!
NISA口座を徹底比較!はコチラ
株主優待おすすめ情報はコチラ!
優待名人・桐谷さんの株主優待情報はコチラ!

 

Special topics pr

ZAiオンライン Pick Up
[クレジットカード・オブ・ザ・イヤー2017]2人の専門家が最優秀クレジットカードを決定! 2017年版、クレジットカードのおすすめはコレ! おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは? 高いスペック&ステータスを徹底解説!アメリカン・エキスプレスおすすめ比較
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
じぶん銀行住宅ローン 「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証  アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード 「アメリカン・エキスプレス」が誇る、高いスペック&ステータスを徹底解説!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

新理論株価で儲かる株
株主優待ベスト130
ふるさと納税ベスト86

1月号11月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

Amazonで「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!


【株主優待ベスト130&新理論株価で買う株】
桐谷さん&優待ブロガー&ザイ読者が厳選!
 初心者も安心!株主優待ベスト130
失敗しない優待株の投資のワザ
●「優待+配当」利回りベスト30
少額で買える優待株ベスト30
権利確定月別の優待株ベスト 130
新理論株価まだ買える株68
年末までに駆け込め!ふるさと納税86
 3大カニマップ&寄附額管理シート付き! 
iDeCoつみたてNISAもこれが大事!
 騙されるな!投資信託選び10の落とし穴
●高配当&高成長の米国株ベスト12
地方上場の10倍株&佐川急便の投資判断
別冊付録!つみたてNISA完全ガイド

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

Apple Pay対応のクレジットカードで選ぶ! Apple Payに登録して得する高還元率カードはコレ! 堀江貴文や橘玲など人気の著者のメルマガ配信開始! 新築マンションランキング
ZAiオンラインPickUP