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金融市場異論百出

金融危機前に発した警告は無駄骨
悔しさ滲むBISの新たな警告

2009年7月9日
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 「あなたが正しくて、金融システムが危険な状態にあるとしても、私に何をしてほしいというのだ?」。

 金融危機勃発前に発していたBIS(国際決済銀行)の警告に対する当時の一般的な反応は、そのようなものだった、と今年のBIS年次報告書は述べている。

 BISは、2002年頃から金融緩和策がバブルを醸成する恐れがあると警戒していた。04年の年次報告書では、FRB、ECB、日銀らが生んでいる過剰流動性が資産バブルを過熱させる恐れや、エマージング市場を混乱させる恐れを指摘していた。出口政策の重要性も主張されていた(本誌04年7月10日号の当コラム参照)。

 今年の年次報告書は、金融危機前のBISの認識は「正しかった」が、警告は「ムダだった」と悔しそうに書いている。「政府高官や市場参加者は、警告に対して聴覚障害を起こしていた」。

 今回の金融危機の原因として、マクロの問題としては、米国を中心とする国際収支の不均衡の異様な拡大、長期にわたった低い実質金利、ミクロの問題としては、報酬システム、リスク管理、金融業規制をBISは挙げている。

 世界経済に占める米国のシェアは大きい。また、ドルは世界で決済に使われており、ドルに自国通貨をペッグしている国も多い。よって、FRBが政策金利を低位に維持したことは、世界経済の過熱に寄与したという。

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