フィリピン 2013年9月25日

フィリピーノの五つの「あ……」と五つの愛

フィリピン在住17年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者のためのなんでも相談所」を運営する志賀さん。その志賀さんが長年の経験から見いだした、フィリピーノの根本にある五つの「あ……」と「愛」についてのお話です。

 「あせらない」「あきらめない」「あたまにこない」「あてにしない」「あまやかさない」はフィリピン人と付き合っていく上で大切なのは五つの「あ…ない」だ。

 これは先達の名言だが、ここではそれに加えて、さらに五つの「あ……」を紹介したい。

1.あとで(マヤヤ)

 なにか頼むといつでも答えは「あとで(ママヤ)」。忙しいわけでもないのになぜ「あと回し」なのか理解に苦しむ。

 いつやるのかと思ってみていると、いつまでもやらない。それで催促すると、また「あとで(ママヤ)」と同じ答が返ってくる。「なぜやらないのか」と責めると、「しつこい(マコリット・カ)」と逆襲される。

 期限ぎりぎりになってあわてて始めるが、もはや手遅れとなっていることが多々ある。あるいは、いつまでもやらないので、しかたがないからこっちが自分でやってしまう。敵はきっと、「はじめから自分でやればいいのに」と思っているのだろう。

2.あと訳

 遅れてきたり、忘れたり、何か失敗をしでかしても、それがはじめから必然であって自分に責任はない、という「あと訳(あとからするとってつけたような言い訳)」をする。

 書類を日本に送ってもらおうと、タイプした日本の住所を渡して郵便局に行かせたら、戻って来た伝票の住所が違う。町名が抜けていたのだ。こんなときも、「住所が長すぎるので落ちてしまった、郵便番号があるから問題ない」と、それがミスだとはけっして認めようとしない。

 たしかに書類は届いたからよかったものの、送り先不明で戻ってきたらとんでもない費用と時間のロスだ。ちなみに日本へのEMS(国際スピード郵便)の料金は717ペソ(約1800円)で、彼らの2日分の給与に匹敵するのだ。

3.あと払い(ウタン)

 サリサリ(ストア)やトロトロ(食堂)では「付け売り」が一般的だが、個人間の取引も、その場で現金で支払うことはほとんどなく「あと払い(ウタン)」が当たり前だ。

 お金を貸したらまず戻ってこないと思ったほうがよいが、この「あと払い」も踏み倒されてしまうことが多い。

「こんな商売をやったら儲かる」「農地を買ってこんな作物をつくると儲かるから、まず金を出してくれ」などと、儲けは「あとで払う」と、数万円から数十万円の出資を持ちかけられた経験をお持ちの方も多いと思う。実際に出資金の配当あるいは返済をしてもらった人は果たして何人いるだろう。

「くれ」というのは恥ずかしいから「貸してくれ」あるいは「出資してくれ」というが、実際はもらったものと思っていて、それによって自分たちの生活の足しにしようとしているだけなのだ。彼らにしてみれば、「本当に戻ると思っていたのか」と心の中で呆れているのだろうが。


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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