関心高く、丁寧に観察すれば、
部下の思いがわかってくる

 リーダーが「待つ」という選択をするときには、部下に対していつも以上に慎重に、感度高く観察し、誠実な関心を持つことが必要です。

 上司として部下の対応に迷ったときは「じっと待つ」というのは決して悪い選択肢ではありません。ただしそれは「ただ待っている」というのではなく、慎重かつ丁寧に見守るということです。少し離れたところから、つかず離れず、見守ってやる。これが私の言う「待つ」ということです。

関心高く、そして丁寧に観察してみると、部下がどんな思いを持っているのか、あるいは、どんな状況に追い込まれているのかが徐々にわかってきます。あなた(上司)に言われたことが、本当は理解できず、悶々としているのかもしれませんし、失敗が怖くて最初の一歩が踏み出せないのかもしれません。

 部下のそんな状況に対して、上司が手を貸し、打開するという手もあります。でも、もう少し時間をかければ、本人が理解を深めることもあるでしょうし、自分の力で状況を変えることができるかもしれません。そうやって自分の力で乗り越えるとき、人は大きく成長します。その成長を促すためにも、リーダーはじっと待つことが必要なのです。